1 目的
鳥取県内に所在する多数の貴重な文化財を犯罪や災害から守るため、災害対策ハザードマップを作成し、被災の可能性がある文化財情報を集約するとともに、研修や耐震診断を行うことで、所有者や地域住民、行政および警察・消防との防災・防犯に対する危機意識及び情報の共有を図る。
また、こうした情報を基礎に、防災・防犯施設整備の充実を促進する。
2 概要
≪1≫ 県内にある国・県指定有形文化財(美術工芸品等)の防犯・防災対策状況の調査、把握 50千円(1,289千円)
指定文化財の画像撮影、法量測定等による基本台帳作成
→状況把握、警察・消防への情報提供の基本データ
≪2≫ 警察、消防との連携 30千円(30千円)
(1)情報共有
(2)パトロール強化の申し入れ
(3)所有者を対象とした消防講習の開催を依頼
≪3≫ 所有者、地域住民の意識の向上 211千円(212千円)
(1)研修会等:防災・防犯対策の重要性や事例紹介など
(2)消防出前講習の開催:所有者の希望に応じて消防署に出前講習を斡旋
(3)耐震診断:
・震災の影響で、耐震について不安を感じる所有者有り。
・平成24年度に基礎診断を実施した結果を検討し、より詳細な診断が必要なものについて所有者に働きかけ。
→ 第2次診断(耐震性能の把握)については所有者等の要望に基づき、今後補助事業化を検討していく。
≪4≫ 防災・防犯設備の整備促進
・防災・防犯対策事業へのかさ上げ補助(新規県指定文化財限定)による整備促進
→ 文化財助成費で実施
≪5≫ 災害等緊急対策用基礎データの作成 57千円(57千円)
(1)津波等対策文化財ハザードマップおよび管理台帳の作成
・各市町村および県危機管理局等が作成している津波等災害影響範囲を示すマップに、同範囲内に所在するすべての登録有形文化財および新規指定文化財を明示し、基本的な台帳を作成する。
(2)文化財修復等緊急対応機関、技術者等一覧作成
・県内における文化財修復等の技術をもつ機関や技術者のリストを作成し、有事において速やかに対応ができるよう、リスト等を作成する。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
・県内の文化財に対する防犯・防災対策事業は、必ずしも十分と言えず、年間1,2件程度の改修が行われているだけであった。
・国・県指定文化財の状況を把握するための調査を実施するとともに、現在危険な箇所の把握を行い、県指定については嵩上げ補助をし、対策を講じることとした。
・調査と平行して、講演等により、市町村の担当者へ積極的に防災・防犯事業の必要性を周知している。
これまでの取組に対する評価
・所有者等と協議を重ね、かさ上げ補助により防災・防犯設備整備をすべく、随時補正予算要求で対応するなど促進をした。
・各文化財の状況調査により、防災・防犯の対策の必要性を市町村担当者、所有者へ周知した。
・ハザードマップを作成し、国・県指定文化財の状況把握をするとともに、市町村担当職員や所有者への危機認識を新たにしてもらっている。
・美術工芸品(彫刻)について現状を把握するためにデータ化し、万が一に備えるための情報整備を行っている。