1 事業目的
(1)本県の有効求人倍率が改善傾向にある中、本県においてはなお求職者が1万人以上存在している。一方で人材不足となっている分野、職種も増加しており、効率的にマッチングを図ることが急務となっている。
(2)就業支援機関へ出向くのをためらいがちな求職者を訪問相談により支援するとともに、技術系人材等の誘致企業が求める人材や人材不足業種などの人材の確保を促進する。
(3)少子高齢化の進行により将来的な労働力の不足が懸念されており、非労働力人口に含まれる女性、若者、高齢者などの潜在的失業者の就労を促進する。
2 現状・背景
(1)本県には、主に生産年齢の非労働力人口(その他(求職活動をしていない者))が約11,000人、非労働力人口(家事(主に炊事や育児など))が約37,000人となっており、潜在的失業者が相当数存在している。
(2)本県には、引きこもり、ニートなど、社会参加や就業を苦手とする者が約3200人存在する。
(3)就業支援機関から遠い地域ほど就業支援機関への相談者が少ない傾向があるほか、女性など相談に出向きにくい状況にある者もいる。
(4)なお、本年9月から、ハローワークの求人情報が職業紹介事業を行う地方自治体等にオンラインで提供されるサービスが開始されるため、訪問相談等においてはこの求人情報の活用も可能となる。
3 事業内容
(1)訪問相談
次の就業支援機関が、就業意識を高めるカウンセリング、各種支援制度や求人の情報などを用いたきめ細かい職業相談等を実施し、就労を促進する。
・若者仕事ぷらざ(若者サポートステーションと連携)
・ミドルシニア仕事ぷらざ
・技術人材バンク
・女性就業支援センター (5月下旬事業開始予定)
<訪問相談の主な対象者>
・社会参加が苦手で引きこもりがちな者(ニート等)
・地理的事情(遠い)、経済的事情(交通費)、家庭事情(介護・育児)などの事情により就業支援機関へ出向くのをためらう者
・主婦等の無業者や若者等の失業者
[モバイルパソコンの整備]
訪問相談対応のため、モバイルパソコンを整備する。
・若者仕事ぷらざ 各ぷらざに1台 → 3台
・ミドルシニア仕事ぷらざ
鳥取3台、倉吉1台、米子1台 → 5台
・技術人材バンク(県内コーディネーター用) → 2台
・女性就業支援センター 3箇所に各1台 → 3台
※モバイルパソコンで提供する情報
・県の求人情報(非公開情報含む)+ハローワークの求人情報
・各種支援制度
(2)求人情報誌の作成・発行
本県独自の求人情報誌を作成し、各就業支援機関のPRを行うほか、インターネットによる情報入手手段を持たない者などに配布する。
<主な掲載内容>
・企業紹介(誘致企業等)
・求人情報(誘致企業等の県独自の求人情報及び人材不足分野を中心に公開可能なもの)
・各就業支援機関の紹介
・各種就労支援制度の紹介(給付が受けられるものなど)
(3)県の就業支援事業のPR
県の各種就業支援事業をPRし、利用拡大を図る。
・広報ポスター、チラシ作成・配布
・テレビ、新聞等のメディアの活用
(4)上記事業実施のため非常勤職員1名を配置
・求人情報誌、広報物の企画、発行
・各支援機関が相談者に提供する求人情報の抽出、編集
4 事業効果
○就業支援機関へ出向いての求職活動が困難だった者を訪問支援することで、より早期の就職の実現、それに伴う生活向上や積極的な社会参加が期待される。
○訪問相談などの就業支援事業をPRすることで、潜在的な相談者を掘り起こし、就業につなげることができる。
5 要求額 4,913千円
(1)非常勤職員配置 1,902千円
雇用期間 8ヶ月(8月〜3月) 1名
(2)モバイルパソコン整備 2,449千円
リース料 (13台×7月)
※モバイルデーター通信料(PCリースとは別契約)含む
(3)独自求人情報誌の発行 454千円
毎月1回発行
(4)県の就業支援事業広報ポスター等 108千円
9月に印刷・配布
<訪問相談のイメージ>
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
県の各就業支援事業は、それぞれの事業が対象とする求職者の意向を尊重した対応に努めている。
ミドル・シニア仕事ぷらざは、平成23年度から民間事業者に委託して運営しているもので、県直営時代を上回る相談実績を上げ続けている。
技術人材バンクは、事業開始から1年あまりが経過し、求人・求職者確保がようやく軌道に乗りつつある。
これまでの取組に対する評価
各事業では一定の相談実績を上げてきてはいるが、一部には様々な事情で支援機関に行くことが困難な者もおり、これらの者にも支援が受けやすい環境を整備する必要がある。
支援側が積極的に出向く姿勢を見せることで、相談者の相談意欲も向上するものと思われる。