1 財政課長査定結果
ゼロ査定。県が実施する必要性が乏しく、費用対効果も見込めないと考えます。
2 調整要求の概要
(1)変更点
・中部の農産物のうち、最も対応が急がれる、らっきょうの消費拡大方策の確立に絞って要求する。
・県から鳥取短大への委託を見直し、JA鳥取中央らっきょう生産部の主体的取組と位置づけるため、生産部への定額助成とする。
(2)査定理由に対する対応
・今回の取組は新たな挑戦であり、現時点では費用対効果を見込むことはできないが、新たな消費拡大方策が開発できれば、らっきょうの生産拡大と砂丘地の不耕作地の解消という効果を生む。
・実際の消費拡大活動は、生産者及び団体が実施していくが、新たな方策を企画・立案する段階では、県が強力に支援していく必要がある。
3 事業内容
中部の特産物の中でも、県のトップブランド品目でありながら、豊作年の単価の大幅な下落、消費者の減少等の問題を抱えるらっきょうの消費拡大に着目し、その消費拡大方策の立案・確立を目的とした調査研究を鳥取短期大学に委託する事業に対して、JA鳥取中央らっきょう生産部に助成する。
まずは、県内の消費者にらっきょうを食べる習慣を定着させる方法を開発し県内での消費拡大、その後、県外、他の農産物に波及させることを目標とする。
事業主体 | JA鳥取中央らっきょう生産部
(生産部からの研究委託先:鳥取短大) |
要求額 | 補助金額 850千円(定額) |
新たな取組項目
(短大における研究項目) | ●消費者調査等を基に方策を検討
(なぜ食べられないのか、どうすれば消費が増え
るのか等々)
●らっきょう食の普及
(例) ・若者世代等への普及方法
・臭いの少ない漬け方の開発
●らっきょうの購入拡大
(例) ・展示方法
・販売方法(レシピ等の提案) |
4 現状・背景
●中部地区は県農業の中心地帯で、スイカ、メロン、イチゴ等の施設園芸作物、梨、ぶどう等の果樹、らっきょう、白ねぎ等の砂丘地作物等の多くの特産物があり、耕作放棄地の活用、企業の農業参入、農福連携等を背景として、生産量が増えている作物(例えば、らっきょう)があるが、その価格は、作況、消費動向により大きく変動している。
●らっきょうは鳥取県の誇るトップブランド品目だが、全国的にはマイナーな作物であり、その消費者も高齢者が中心であることから、年々減少傾向である。(県全体販売量はH19がピークで3,819t、その後減少)
●らっきょうは豊作年には単価が大きく下落。消費拡大のために、全農、JA、生産者及び県も協力しながら、特に京阪神等都市圏を中心にして漬け方講習会、消費宣伝活動を実施しているが、豊作年には単価が下落してしまう。
●従来の消費宣伝方法は「既に食べたいと思っている人」に対して行うにとどまっている。さらに消費拡大を図るためには、これまでらっきょうを「食べてなかった人」に食べてもらえるような新たなファンの獲得が必要である。
●そこで、従来の生産・流通サイドではない消費者のサイドにも軸足を置いた観点から、今までに無い発想で、新しい消費拡大方策を確立する調査研究に対して、JAらっきょう生産部から鳥取短大に研究委託を行う。
5 生産部から鳥取短期大学に委託する理由
(1)従来とは別の視点から調査・研究を行い、新たな方策を立案することが必要。JA生産部だけでは負担が大きい。
(2)鳥取短大は生活学科、国際文化交流学科を中心として、農業関係の商品開発、委託研究、加工・活用に関する研究の実績があり、教員の人材もそろっている。また、消費者の指向を把握する分野としての、社会学及び心理学の教員も在籍している。
(3)短大内の学生は女性比率が多く、将来的に消費者となることが期待できる。
(4)短大の地域交流センターは、産官学の連携、受託研究の受入れ等、「地域と共に歩む大学」を具現化する組織として設置されており、それぞれの研究者が専門分野を活かした活動をしている。