1 事業概要
クロマグロを漁獲するまき網漁船の船上で、品質が良く簡易な方法で脱血したマグロを安全(作業時)に生産するための試験開発を行う。
2 背景
・境港に水揚げされる夏場のクロマグロは、まき網漁法であるため、ひき縄や延縄漁法と異なり、内臓除去を含めた脱血処理を行うことが非常に困難である。
・そのため、マグロの身に血液が残っており品質の評価が低くなる原因の一つとなっている。特に、ブロック凍結後に解凍したものを刺身にすると血栓が生じる。
・船上で脱血したクロマグロを一定量生産できる手法を確立し、生産することで価格向上、ブランドイメージアップが図られる。
3 実施年度
26年度(単年)
4 試験開発概要
(1)高品質なマグロ生産を行うための簡易な脱血方法を調査
(2)脱血作業時にマグロが船上で暴れない技術の開発(電気ショッカー)
5 要求内訳
・人件費 85千円
・委託費 1,134千円
・備品購入 525千円
・その他 118千円
6 効果等
・生産者の収入増加。
・品質の良い(身に血が混じっていない)プレミアムなクロマグロを販売することによりイメージアップが図られる。
・市場外流通も視野に入れた販路拡大。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
(1)水揚げ(販売)後の脱血処理
境港マグロ高付加価値化研究会(H22年6〜7月)
冷凍(-60℃真空パック凍結)することでマグロが獲れない時期に販売することを目指し、クロマグロを細かい切り身(ブロック、柵)にカット後、吸水紙で血を吸わせる。
(2)漁獲直後の船上脱血処理
生産者(共和水産)が近年、数回取り組んだ。
これまでの取組に対する評価
(1)水揚げ(販売)後の脱血処理
・地元量販店及び試食会においては一定の評価が得られた。
(2)漁獲直後の船上脱血処理
・魚が暴れるため作業に危険を伴う
・過去に数回実施されたが、短時間の作業で効果のある方法が不明瞭であることもあり、市場仲買人の評価は良くなかった。