1 事業概要
井戸海水を利用した陸上養殖の起業を検討している民間企業の進出に備え、陸上養殖に必要な大量かつ清浄な井戸海水が取得できる用地を確保する。
2 事業内容
陸上養殖適地調査支援事業補助金
事業内容 | 陸上養殖による企業誘致を目的に、市町村が行う試掘調査への支援。 |
事業実施 | 市町村 |
補助種別 | 直接補助 |
補助率 | 1/2 |
補助上限 | 5,000千円
※事業費9,332千円(試掘2ヶ所、連続揚水試験1ヶ所)を想定して補助上限を決定。 |
対象経費 | 井戸海水試掘調査に係る経費 |
想定される地区 | 1地区 |
試掘調査の方針について
| 従来 | 今後 |
県管理地 | 【県】
原則、1漁港地区につき試掘2本(うち連続揚水1本) | 【県】
原則、1漁港地区につき試掘2本(うち連続揚水1本)
【市町村】
必要に応じて追加の試掘調査を実施(県1/2支援) |
市町村管理地 | 対象としていない | 【市町村】
陸上養殖による企業誘致を目的に、市町村が主体となり試掘調査を実施(県1/2支援) |
3 背景
平成24年度に実施した井戸海水調査により、網代漁港及び泊漁港で大量取水の目処が立った。
- 泊漁港では平成25年度に進出企業2社が公募により決定し、年度内に施設整備を予定。
- 網代漁港については、民間企業3社が起業を検討しており、用地面積としては十分にあるが、試掘調査が不十分であり、3社を誘致するには追加の試掘調査が必要。
- 岩美町は浜の活力再生プランで陸上養殖を中核的な事業として位置づけたいと考えており、網代漁港への3社の進出を進めたい方針。
- また、泊漁港や網代漁港への進出企業以外にも、新規参入を検討している企業があるが、適当な用地がなく受け入れができない状況。
- 今後は、県と市町村が協力して候補地の試掘を行うことで、陸上養殖に適した用地を確保する必要がある。
4 効果
陸上養殖の発展は漁船漁業中心の不安定な漁業生産構造からの脱却に繋がり、高品質かつ多品種の水産物の安定供給が可能になる。
養殖生産された新鮮な魚介類は「新たな地域観光資源」として広く活用でき、衰退が進む漁業地域を活力のある強い産地に変えていくことが期待される。
5 陸上養殖にかかる関連事業(一般事業要求)
井戸海水導入調査事業 H26実施なし
県管理地における初期の試掘調査を県直営で実施
養殖普及指導事業 予算額:2,501千円
栽培漁業センターによる事業者への技術指導
養殖事業展開可能性調査 予算額:9,160千円
陸上養殖及び種苗生産技術の開発
陸上養殖起業支援事業 予算額:30,000千円
実証試験にかかるハード整備等への支援
栽培漁業センター施設強化事業 予算額:46,597千円
栽培漁業センターのマサバ種苗生産施設の整備
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
・H24年度に網代漁港、泊漁港、赤碕港で試掘調査を実施し、網代漁港、泊漁港で大量取水の可能性が確認された。
・しかし、平成24年度の試掘調査では、連続用水試験の時間を短縮(5〜8時間)して実施したことから、海水井戸の専門家から一定以上の連続揚水試験(4日間程度)を実施し、水質検査を行う必要があるとのアドバイスを受けた。
・そこで、H25年度6月補正で網代漁港、泊漁港については4日間の連続揚水試験を実施することとなった。また、赤碕港については試掘深度を深めて再度試掘調査を実施することとした。
・泊漁港では進出企業2社が決定し、H25年度内に養殖施設整備を予定している。
・網代漁港については民間企業(異業種)3社が陸上養殖への進出を希望している。
これまでの取組に対する評価
<網代漁港の試掘調査について>
網代漁港については民間企業3社が陸上養殖への進出を希望しているが、用地面積に対して試掘調査が不十分で3社を誘致するには追加調査が必要となっている。
<新たな陸上養殖用地の確保について>
新規参入企業を受け入れるためには井戸海水が大量に取水できる新たな用地が必要になっており、県と市町村が協力し用地確保を急ぐ必要がある。