国において、要保護児童の措置については、「里親委託優先の原則」が示され、積極的に里親委託を進めているところ。
(1)全市町村里親配置促進
里親委託を行う上で、絶対的に里親の数が不足しているのが現状。(要保護児童との相性、里親家庭の状況等といったことから、より多くの里親が必要となる。)
新たに里親登録を行っていただくために、草の根的に制度周知を行っていくこととしているが、その際、実際に要保護児童を委託している里親の生の声を聴いていただくことにより、自分に置き換えて考える機会となり、ふだんどのような生活をしているか等イメージすることができ、リアルなこととして捉えてもらうことが可能となる。要保護児童を実際に預かり、育てる上でのやりがいや喜び、達成感といったことは里親でなければ、話すことはできないことから、里親の生の声に勝るものはない。
H25.12月末実績
27回 399人(行政関係者、民生児童委員、町内会役員等)
◎制度説明、里親の体験談への感想
・里親制度を知らなかった。
・里親になることはできなくても、聞いたことを周りの人へ伝えることはできそう。
・自分たちができることは協力していきたい。
・校区に1家庭は里親という考えには、納得。
・里親の体験談、特に生の生活についての語りについては、とても分かりやすかった。
・里親になってみたい。 |
(2)【新規】子どもと家庭の絆フォーラム(仮)
各種集会等において、制度や里親の現状を説明したところ、もっと暗いもの、触れてはいけない話題といったネガティブイメージがあり、また、里親委託=養子という誤ったイメージを持った方が多数見られた。
また、鳥取県における新規登録の里親については、ほぼ40代以上であり(40代以上:93.2%)、若い方の登録はほとんどない状況であり、制度そのものを知らないということが考えられる。
このようなことから、若年層を含む一般の方にまずは「里親」というものを知っていただくことが重要であることから、一般県民の方を対象としたフォーラムを開催し、広く制度周知を図る必要がある。
福岡市においては、「里親制度の普及啓発・里親の新規開拓・里親委託の増加」を目的とした新しい絆プロジェクト(市民参加型里親普及事業)をH17年度より始め、社会的養護の現状や里親になりたくなるような感動エピソードを取り上げた一般の方向けの里親フォーラムを開催したことにより、一般の方の参加意欲を醸成することに成功し、里親制度の周知、協力者の確保に成功している。
<事業イメージの作成>
「里親=暗いイメージ」を払拭するため、プロのデザイナーにデザインを、コピーライターにキャッチフレーズなどの作成を依頼した。
<大量のチラシ配布>
市民の興味を引くタイトルをつけ、広い範囲に周知した結果、主催者の予想を超える参加者が集まった。
<参加者の声>
里親の体験談は、かなりのインパクトがあった。
自分たちの住んでいる市で起きていることなのに現状を知らないことにショックを受け、「自分たちに何ができるか考えるようになった。
→里親をもっと知りたい、里親になりたいという方の醸成に成功した。
(「里親等委託率アップの取り組み報告書」より) |
福岡市の取組については、里親委託率UPの取組を、国が里親に関する説明資料や全国配布の冊子に取りまとめるなどして、たびたび全国自治体に紹介している。(平成16年から23年の7年間で里親委託率22.4%増加。全国1位の増加率。新規登録里親数:94名(H17〜H23))
◎その他国が紹介している先進地事例(大分県)
児童相談所(2か所)に里親専任職員(常勤2名、非常勤4名)を配置し、児童相談所の体制強化を図った。(平成16年から23年の7年間の里親委託率17.7%増加。全国2位の増加率)