1 事業概要
島根原子力発電所で事故が起こった際には、鳥取県の最前線拠点として、西部総合事務所が対応することとしている。原子力災害においては、オフサイトセンターへの要員派遣やモニタリング等の情報収集など自然災害と異なった特有の対応をとるとともに、自衛隊などの関係機関との迅速な連携を図る必要がある。そのため、西部総合事務所の災害対策室に「現地情報集約センター」を設け、情報収集力、関係機関との情報共有の強化を図る体制を整える。
2 事業内容
○現地情報集約センターの常設化
・防災相互波無線の固定アンテナ設置(H24)
・OFCとのTV会議及び庁内TV会議システムの導入(H24)
・高機能複合複写機、電子ホワイトボードによる伝達機能の
強化(H25)※
・モニタリング地点等の原子力防災地図の作成(H25)※
・常設パソコン設置による情報共有(H25)※
○情報収集機能の強化
・市町村派遣職員に連絡用情報端末を配備(H25)※
・気象情報、道路情報等の端末モニターの設置(H25)※
・モニタリングデータ端末の設置(H25)
・地上波テレビ放送モニターの設置(H25)※
・国土交通省ライブカメラ端末の設置(今回要求分)
※印は、平成25年2月の経済対策で整備
3 背景
2年前の福島第1原発事故を受けて、国の原子力防災体制が改訂され、鳥取県西部地域の一部が30kmの原子力防災対策を重点的に行う範囲に含まれることになった。
西部総合事務所は、一番近い拠点として鳥取県地域防災計画 【原子力災害編】の中で、現地対策本部に位置づけられたほか、事象発生の際の現地確認を行うこととされている。
1月26日に行われた島根原子力発電所防災訓練において、気象情報、モニタリング等の情報集約機能強化、想定する避難路のあり方等の課題が指摘された。
西部地域の事業所、公共交通機関の担当者からは、原子力災害発生時の対応について、戸惑いの意見があり、非常時に集約された情報を共有する必要がある。
西部消防局や自衛隊など東部地域に拠点を持たない機関は、西部総合事務所から情報提供行うとともに、現地対応の意思統一を図っておくことが必要。
4 予算要求額
要求額合計 5,146千円
○現地情報集約センターの常設化
・配備パソコンリース料10台分 218千円
・災害対策室複合機リース料1台 260千円
・情報集約センター従事職員用ブルゾン 363千円
・原子力防災訓練資料作成 76千円
○情報収集機能の強化
・原子力防災職員研修費用 388千円
・PCモバイルWi-Fiルーター通信料6台分 334千円
・情報端末通信料6台分 580千円
・国土交通省ライブカメラ端末設置 2,927千円
原子力防災への対応は、従前からの総合事務所の業務である自然災害への対応に新たに付加された業務であること。また、緊急性が求められる原子力災害対策に対して、常時即応体制を整えておく必要があるため、経常経費的な予算要求とはせず、原子力災害対策予算とした。
5 原子力防災における西部総合事務所の役割
地理的に距離の近い西部総合事務所は、鳥取県の最前線基地として、下記の役割を担う。
・島根原子力発電所への現地確認要員の派遣
・島根原子力発電所オフサイトセンターへの機能班担当職員及
び鳥取県の情報連絡員の派遣
・島根県災害対策本部など島根県への連絡要員派遣
・境港市、米子市の災害対策本部等への連絡要員派遣
・西部総合事務所に設置される現地対策本部(本部長:副知
事)の設置運営
(今回新たに付加する業務)→現地情報集約センターの役割
・モニタリング結果や気象情報等周辺環境情報の逐次把握
・OFCや鳥取県、島根県の対策の状況把握
・消防、警察、自衛隊などの支援機関との情報の共有
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
○福島第一原発事故を契機とした原子力発電所事故に対する西部総
合事務所の防災体制を整備
○会議室と共用でった災害対策室を常設とし、テレビ会議システムなど
のネットワーク機器を整備
○新たな課題である原子力防災に関する職員の職員資質向上を実施
○自衛隊や消防局、警察などの防災関係機関との連携強化
これまでの取組に対する評価
○情報集約センターとして災害対策室を整備した。訓練等を通じて出
た ハードの面の課題を順次整備する。
○原子力防災研修に30名の職員が参加。原子力防災の見直しが進
められており、常に研修と通じて資質向上を図る必要がある。
○弓浜半島防災関係機関連絡会を2回開催。自衛隊等と原子力防災
等の連携体制を話し合った。