1 概要
本来の業務担当課とは違う立場から、行政監察や業務改善ヘルプラインへの対応等を行うことにより、透明性が高く、適正かつ効率的な行政運営に資する。(前年度継続事業)
2 行政監察
(1)概要
県における行政事務・事業のあり方について、課題を決めて重点的・個別的に監察を実施するとともに、行政監察に係る関係機関、関係市町村等との連絡調整を実施する。
(2)調査項目の選定
(3)調査(以下の観点等から聞き取り、資料確認等を実施)
○必要性:政策目的の妥当性、行政が担う必然性
○効率性:投資資源量に見合った結果の有無
○有効性:期待される結果の有無
○公平性:政策効果の受益、費用負担の公平な分配
○優先性:上記観点の評価を踏まえた他政策との優先度
(4)調査結果の公表・改善策提起
(5)改善結果報告(担当部局→行政監察・法人指導課)
(6)改善結果の管理(未改善案件の督促等)
3 業務改善ヘルプライン
(1)概要
職員が業務を行う中で気がついた、正すべき点や改善すべき点などを、実際の改善につなげるため、通常の業務ラインとは別に、行政監察・法人指導課に連絡できる窓口を設置。
(2)対象職員
知事部局、企業局、病院局、議会事務局、各種委員会の職員及びこれらの機関に勤務している派遣労働者並びにこれらの機関が所管している県出資法人(出資比率が1/2以上の団体に限る。)の職員
(3)連絡の内容
ア 職務上の法令違反、その他の不正又は不当な行為
イ 業務に関し当該機関内では解決が困難で、業務改善ヘルプラインが関与することにより改善が必要なもの(ただし、県出資法人については、県の補助事業、委託事業等の執行に関する事項その他の県の利害に関連する事項に限る。)
ウ 業務改善ヘルプラインに連絡したことが原因でいやがらせ、中傷その他不当又は不利益な取扱いを受けたとき。
※ただし、ア〜ウに関らず、県議会議員の個別の行為に関する事項は、議会において定めるヘルプライン要綱に基づく議会業務改善検討委員会により対応するため除く。
(4)知事報告
連絡内容は、調査の前に知事報告する。
(5)業務改善ヘルプライン審査会
連絡内容の概要と調査結果は、「業務改善ヘルプライン審査会」に年1回程度報告し、審査会の意見は、今後の調査方法の改善に役立てる。
4 不正経理に関する外部通報窓口
(1) 概要
適正な会計処理を確保するため、県の物品調達に係る不正経理に関する外部通報窓口を平成21年12月10日に設置。
(2)通報対象者 県職員以外
(3)通報の内容
ア 県の機関において、架空購入その他物品調達に係る経理上の不正又は不当な行為が行われ、又は行われようとしていると思ったとき。
イ 外部通報をしたことが原因で嫌がらせ、中傷その他不当又は不利益な取扱いを受けたとき。
(4)その他
ア 外部通報窓口の受付件数は、毎年度、県ホームページに掲載して公表する。
イ 通報のあった事項の概要、調査結果及び改善措置等は、業務改善ヘルプライン審査会に報告する。
5 所要経費
○非常勤職員に係る経費:903千円(899千円)
○備品購入費:28千円(28千円)
○標準事務費:589千円(1,048千円)
※カッコ内は前年度予算額
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
<政策目標>
・公正、公平、効率的かつ効果的な行政運営の確保
・職員が安心して公正な姿勢で職務に専念できる環境の整備
<これまでの取組>
・「県民の声」や「業務改善ヘルプライン」を契機として、行政監察という形式にこだわらず、実質的に業務改善が図られることに重点を置いて調査を実施し、関係課に必要な助言・指導を行った。
・毎年、知事部局の全職員宛に「業務改善ヘルプライン」の制度周知メールを送付していることに加え、平成20年度から庁内LAN「業務改善ヘルプライン」データベースを作成し、制度を活用しやすい環境整備を行った。
・会計検査院の検査指摘等により明らかになった不適正な経理処理の再発防止策のひとつとして、平成21年度から県の物品調達に係る不正経理に関する外部通報窓口を設置し、外部からの情報提供を活用するシステム整備を行った。
これまでの取組に対する評価
・行政監察結果に対して、実効的な改善措置が取られるまでフォローアップしており、事務改善につながっている。
・「業務改善ヘルプライン」は、都道府県の内部通報窓口としては、全国の通報受理件数から判断するとよく利用されているが(平成24年度消費者庁調査結果)、外部からの指摘により不適正事案が発覚するケースも未だに存在する。内部通報窓口として有効に機能するよう、引き続き職員へ周知するとともに、通報しやすい環境整備等の工夫が必要である。