1 概要
必要な在宅医療と介護の連携を進めるため、介護専門職等の団体に、介護分野の多職種が協働・連携するとともに、医療との連携体制を構築する事業を委託する。
2 目的、背景
(1)医療ニーズと介護ニーズを併せ持つ高齢者の増加
2025年(平成37年)には、団塊世代の方々が医療ニーズ、介護ニーズの高い後期高齢者(75歳以上)となる。単身独居や夫婦のみの高齢者世帯、認知症の高齢者が増加することも見込まれ、地域で支える体制がより重要となる。
(2)介護の将来像「地域包括ケアシステム」の構築
要介護状態となっても、高齢者が住み慣れた地域で長く暮らすことができるよう、退院後の生活を支える在宅医療や介護サービスを充実させ、早期に在宅復帰ができるようにするとともに、生活支援や介護予防を充実させることが必要である。
2025年を目途に、このような医療・介護・介護予防・住まい・生活支援が一体的に提供される「地域包括ケアシステム」を実現させる。
(3)在宅医療は中核的役割
医療ニーズと介護ニーズを併せ持つ高齢者を支えるためには、訪問診療、訪問看護などが不可欠である。
(4)介護関係職種の連携が必須
地域における介護分野の多職種が協働・連携を進め、医療・介護連携のための体制づくりを進める。
退院前調整や緊急時など市町村内で完結しない場合もあり、広域的連携も必要となる。
3 事業内容
(1)委託内容
在宅療養の高齢者を支える介護分野の多職種が協働・連携する場を設け、二次医療圏(東部・中部・西部の各圏域)における連携体制をつくる。
・多職種の顔の見える関係づくり
・医療側と連携するための体制づくり(窓口設置)
・在宅医療と介護サービス等の情報共有
・在宅医療と介護の関係者への研修(先進地視察、先進事例の紹介) 等
(2)委託料の内容
会場使用料、資料印刷代、先進地旅費、講師謝金・旅費 等
(3)委託先
介護専門職で組織する団体等
(例)圏域地域リハビリテーション推進連絡会
4 補正要求額
1,500千円 (財源)単県
(新たな財政支援制度(基金)を活用予定)
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
1 鳥取県地域包括ケアアンケート調査の実施(平成25年度)
・概要:鳥取県における地域包括ケアシステムの発展・強化に向け、保健・医療・福祉の専門職連携と在宅ケアの課題に関するアンケートを実施した。
・委託先:鳥取県地域包括ケア研究会調査チーム(代表:鳥取大学)
・調査対象:医師、歯科医師、看護師、保健師、理学療法士、ケアマネージャー、社会福祉士等の専門職
・集計結果:医師・歯科医師とケアマネや地域包括支援センター専門職(主任ケアマネージャー、保健師、社会福祉士)、その他の介護専門職との連携が非常に希薄。
これまでの取組に対する評価
1 地域包括ケアを進めていく上で、介護分野の多職種協働・連携は必ずしも充分と言えず、また、医療側との連携は不十分。
2 介護保険法改正を踏まえた取組が必要
・在宅医療と介護の連携推進については、平成24年度から医療施策である在宅医療連携拠点事業、在宅医療推進事業として行われてきたところ。
・このたび改正された介護保険法の中で、医療介護連携の必要性が明確化された。