1 事業概要
我が県では「人と社会と自然との共生」をテーマに「環境立県」を掲げ様々な独自の取り組みを展開している。日野川流域においても「日野川流域憲章」が平成20年8月に制定され、その理念には「日野川流域の自然・環境を守り、共存に努める」旨が明記されている。
この自然豊かな日野川は「天然鮎がのぼる100名川」にも選定されているが、一部で人工物である堰等によりアユの遡上が阻害されている。アユの遡上を阻害している堰に魚道設置することにより、アユ資源の安定化を図るとともにアユが棲みやすい川づくりを行い、日野川の豊かな自然・環境を守ることを目的とする。
2 事業の目的、背景、効果等
日野川ではアユ資源を保全するため、これまで実態調査や魚道設置の検討会等を実施してきた。
現在、日野川(本川)には大小18箇所の堰があるが、上記調査や検討会の結果を踏まえ、アユが遡上するための魚道を順次設置してきている。
日野川漁協によると、魚道が無い又はあっても構造的に不備があるなどの理由により、整備が急がれる堰は6箇所あり、このうち2箇所は既に整備済又は整備中となっている。
残り4箇所のうち、3箇所は中国電力や水路組合が管理しており、現時点で魚道を整備する予定はないが、堰高が1m程度であり、堰を越えて遡上するアユも数多くいる。
残る1箇所は、県が管理する宮内砂防堰堤(通称:蛇巻堰堤)で、魚道が無い上、堰高が3.4mと高く、アユの遡上を著しく阻害していたことから、これまでも漁業関係者から魚道設置の要望があがっていた。(漁業関係者によると、十数年前までは魚道があったようだが、大水が出た際に流れてしまい、以降、魚道が整備されないままになっているらしい。)
3 事業内容及び所要経費
現在、当該付近において河上バイパス(交付金事業)の工事を実施中であり、来年度当該箇所で橋梁の下部工を実施する予定としている。これと併せて魚道工事を実施することで、工事用道路や作業ヤードの兼用が可能となり、コストの縮減が図れることから、設計費と工事費を要求するものである。
●魚道設計業務委託費(3,000千円)
●魚道設置工事費(12,000千円)