(1)種牛性に関する優良遺伝子解析
神戸大学との共同委託研究により、種牛性に関わる能力と血統との関係を統計分析した
・飼料利用効率は遺伝的効果が大きいことが判明(H17年度)
・繁殖雌牛の生産子牛頭数は遺伝的効果は小さく、農家技術によるところが大きいことが判明(H18年度)
・飼料利用効率は動物遺伝研究所が主体となり、優良遺伝子の探索を実施中
(2)産肉性に関する優良遺伝子解析
・5種雄牛で産肉性に関わる24の優良遺伝子領域を特定
(枝肉重量:9、ロース芯面積:6、脂肪交雑:9)
・(社)動物遺伝研究所等との共同研究により、枝肉重量に関わる2つの責任遺伝子(CW-2,CW-3)を同定
※CW-2は国内・国際特許を取得、CW-3は国内特許取得
(3)和牛版ゲノム育種価の開発と活用
・和牛集団におけるゲノム育種価推定能力を検証
・枝肉6形質についてゲノム育種価との推定育種価との相関が強いことが明らかとなり、早期の育種価推定に有効であることを確認
(4)新たな有用形質に関する遺伝子解析
・牛肉のおいしさに深い関わりがあるオレイン酸の含有率は遺伝的効果が大きいことが判明(H19年度)
・オレイン酸含有率に関わる既知遺伝子の効果を調査し、2つの既知遺伝子が改良に有効であることを確認
・オレイン酸含有率に関わる遺伝子を探索し、未知の遺伝子領域を検出
・オレイン酸についてもゲノム育種による能力予測が可能であることを確認
(5)優良種雄牛造成への活用
・特定された優良遺伝子領域を活用し、「勝安波」号を選抜
・全国一の産肉成績を収めた「百合白清2」号の誕生
・和牛改良への活用の有効性が示された