(1)鳥取県は鳥取梨産業の再興を目指して平成20年に「鳥取梨産業活性化ビジョン」を策定。県オリジナル梨新品種面積200haを目標に生産振興を図ってきた。
(2)うち「新甘泉」は消費者の評価が高く、高単価で販売されており、今後集中的に推進すべき品種である。しかし生産量が少なく、市場や消費者からの注文に応え切れておらず、早期の生産量拡大が大きな課題となっている。
(3)一方、「新甘泉」ニューモデル園の取り組みをを契機に、新たにジョイント栽培に取り組む事例が増えている。ジョイント栽培は省力的で、難しい栽培技術の習得を必要とせず、早期多収が可能であるため、この推進が生産量早期拡大の近道となる。
(4)しかしジョイント栽培は専用の大苗が必要で、これを生産者が育成することは技術的、労力的に難しい。苗木業者による生産数も限られており、取り組み事例が大きく増加することが見込めない状況にある。
(5)こうした現状を受け、新たな取り組みとして生産者から大苗の育苗作業を受託し、、ジョイント栽培に取り組みやすい環境をつくろうとする動きが出てきている。
これまで全農とっとり(苗木販売者)がジョイント用大苗を生産・販売することはあったが、販売の権利を持たない事業者が大苗の育成を受託する事例は想定していなかった。
苗木代に加え新たに育成委託にかかる費用が生じることや、慣行栽培に比べて4倍(160本/10アール)の苗木本数が必要になるなど、ジョイント栽培に取り組むためには財政的な負担が大きい。
新たな動きが出てきたことを受け、ジョイント栽培の取り組みを推進するため、生産者等がジョイント栽培用大苗の育成を外部に委託するためにかかる経費の一部を補助する。
事業主体 | 農協、生産組織、農業公社、認定農業者他 |
補助率 | 県2/3 |
補助対象経費 | ジョイント栽培用大苗の育成委託に係る経費 |
補助対象品種 | 新甘泉、(一部、秋甘泉※) |
予算額 | 2,340千円 |
※「新甘泉」に「秋甘泉」を混植する場合に限り、「秋甘泉」も補助対象品種とする(混植により人工交配作業が省略でき、大幅な省力化に繋がるため)。
○ 予算額積算根拠
育成本数:1,350本(予定)
育成委託料単価:2,600円/本(予定)
1,350本×2,600円×2/3=2,340,000円(想定)
1,350本がすべて植栽された場合、単純計算で約85アールの面積に相当する。