バイテクによるナシ新品種シリーズの育成

新甘泉等鳥取県オリジナルのナシ新品種に対する生産者や市場の期待は大きい。現在、特に高単価が期待できる８月上旬出可能で、省力型（黒斑病抵抗性、自家和合性）で食味の良い極早生ナシの開発・育成が早急に求められている。
（２）ナシ台木優良系統育成
ナシ新品種に改植する際、白紋羽病による苗木の枯死により、新品種の普及の妨げになっている。このため、白紋羽病耐病性台木の開発・育成が求められている。
（３）太陽熱消毒による白紋羽病防除
　ナシ白紋羽病は、発生跡地に苗木を定植しても再発する難防除の土壌病害で、新品種の改植を阻害する要因となっている。このため、既存の対策より有効で簡易な防除法の開発が求められている。

ア　省力型品種
　自家和合性、黒斑病・黒星病に強く、美味しいナシを育成する。（平成９年から１６年度に交配）
イ　極早生・省力型品種
　収穫時期が早く、自家和合性で美味しいナシを育成する。（平成２０年以降に交配）
ウ　倍加技術を用いたナシ新品種
　早生優良ナシ（夏さやか、早優利等）の染色体を倍加し優良系統を育成する。
　※自家和合性：人工授粉作業をしなくても結実すること
　　倍加技術：染色体を人工的に倍加する技術。自家和合性や肥大性を付与することが期待できる。
（２）ナシ優良台木系統育成
　台木品種の交雑により、白紋羽病に強い系統を育成する。
（３）太陽熱消毒による白紋羽病防除技術の確立(新規）
　夏季高温期にほ場をビニールで被覆し、白紋羽病防除技術を確立する。