大山周辺におけるナラ枯れ対策は、10月下旬の調査に基づく対策本数を見込んでいたが、11月から12月の間に、駆除事業と同時並行的に調査エリアを拡大して、調査を行ったところ、処置すべき対象木の増加が確認された。
〔処置すべき対象木が増えた理由〕
・暖冬少雪であり、駆除処理等に併せて行う林内の被害調査が、 積雪の支障なくできた
・枯死木周囲の調査範囲をさらに広げ、緻密に行った
⇒ 調査精度が向上し、見つけにくい「穿入生存木」の多数の発見につながった。
(大山町・琴浦町では約8割が穿入生存木)
対象箇所は風致・景観的に重要な区域である、琴浦町の船上山周辺から大山町にかけての区域であり、早急な対策が必要となっている。
また、本年の気候は暖冬少雪となっているため、その環境下でのカシノナガキクイムシの生存・脱出増加を放置すれば、次年度の被害の拡大に繋がるおそれがある。
このため被害拡大防止対策に加えて、今回確認された箇所における処理を緊急的な雇用対策として実施するもの。
〔今後の対策〕
○枯死木は、駆除処理することとし、立木くん蒸を行う
○生存木(穿入)は、駆除を兼ねた予防処置として、立木シート被覆を行うことで、被害拡大を防止する。
○実施主体 市町
処置すべき対象木は、現計予算で不足する部分の内、地元の受け入れが整ったものは、当該臨時経済対策予算を充当し、年度内執行を目指す。さらに不足する予算は、来年度の国の予算を充てることとし、配分後速やかに着手し、カシナガ発生前(6月)に防除作業を終了させる。
〔H28年度春期のナラ枯れ対策の考え方〕
暖冬少雪の気象から、被害が拡大するおそれがあるので、適切な防除作業が必要となるが、一方では積雪が少なく緻密な調査が可能で、徹底的な防除作業も可能な環境にある。
このため、この環境条件を活かして、さらに防除作業を徹底し、進捗に伴って今後新たに発見された対象木の処置においても、来年度の国の予算を充てることとしたい。
また、トラップ法による予防処置を加え、駆除と併せて、徹底した防除対策に取り組む。
〔大山周辺のナラ林の目指す将来の姿〕
カシノナガキクイムシは、土着型の昆虫であり、徹底した被害対策を行い、生息密度を落としながら、穿入生存木の中で共存する状態を目指す。