(1)医療機器産業を取り巻く環境
○高齢化の進展と新興国の医療需要拡大を受け、医療機器の世界市場は8%の高成長率を維持しており、今後も拡大すると予測されている。医療機器市場は安定した利益率が見込まれ、ニッチ市場の集合体であることから、中小企業にも参入のチャンスがある。
○医療機器分野は「日本再興戦略」に経済成長を支える重要な分野として位置づけられ、国を挙げて産業育成に乗り出している。今年11月の薬事法改正(医療機器の審査が簡素化)も追い風となり、医療機器分野への新規参入促進が期待される。
○県の「経済再生成長戦略」においても医療イノベーションが成長分野として位置づけられ、県内中小企業の高度なものづくり技術を医療機器分野へ横展開することにより、県内産業の新たな発展が期待できる。
(2)鳥取県の現状
○現在、県内の63企業・団体が「とっとり医療機器関連産業戦略研究会」に参加し、情報交換や外部専門家によるワーキング、展示商談会への参加など、医療機器分野への参入意欲が高まっている。
○複数の県内企業で医療機器の具体的な開発案件が進んでおり、自社の技術力を新たな分野に活かそうとする積極的な動きが出始めている。
○一方で、医療機器ニーズの把握や製品開発のアイディア等について踏み込んだ支援が必要との声が寄せられており、医工連携による一層の支援体制強化が必要である。
○鳥取大学が厚生労働省の国産医療機器創出促進基盤整備等事業(H26)の採択を受け、県内から医療機器開発に意欲のある企業15社を選定し、医療現場の実情や医療機器に関する人材育成を実施中。