1 目的
慢性腎臓病(CKD)は、早期発見・治療や生活習慣の改善により進行が抑えられることが可能である。CKD患者への効果的な生活指導を実施するための人材育成とともに地域での予防体制を整える。
2 背景
○慢性腎臓病(CKD: Chronic Kidney Disease (クロニック キドニー ディズィーズ) )
腎臓機能低下の状態が長期間続く状態を言う。症状が進行す
ると透析を必要とする「腎不全」に至ることがある。
【特徴】
・自覚症状に乏しいため、気づかず悪化していることが多い。
・ 一端病状が進行した腎臓機能は、もとの健康な状態に戻すことは困難(重症化予防が重要)
・心臓病や脳卒中などの生命に関わる心血管疾患を引きおこしやすい重大な疾患である
・腎機能異常が軽度であれば、適切な治療を行うことにより進行を予防することが可能である。
・慢性腎臓疾患患者は年々増加傾向にあり、「腎不全」は国民の死因の第8位を占め、平成25年末には約31万人が透析療法を受けるなど、国民の健康や生活の質にに重大な影響を及ぼす。
・透析療法の医療費は年間約500万円/1人と高額であり、医療費の適正化の側面からも重症化予防が重要
*慢性腎臓病(CKD)は、発症・進展に生活習慣病が関わっており、腎疾患の発症・進展予防対策を強化することが急務となっいる。
3 実施内容
○研修会の開催
内 容:慢性腎臓病の病態、血清クレアチニン検査の特性、
透析療法の理解、透析患者の生活、
要指導対象者に対する適切な予防方法、
予防活動の仕組みづくり 等
講 師:腎臓病専門医、先進地の自治体職員 等
対象者:各市町村保健師・栄養士、
特定健康診査保健指導従事者 等
4 積算根拠
786千円(786千円)
区分 | 金額(千円) | 内訳 |
旅費 | 251 | 研修会講師旅費 |
報償費 | 288 | 研修会講師謝金 |
事務費 | 247 | 消耗品・会場使用料等 |
計 | 786 | |
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
【事業経過】
平成24年度から政策戦略事業の一つとして、事業開始。平成25年度は、一般事業。
事業内容:慢性腎臓病(CKD)予防対策研修会
参加対象者:医師、市町村保健師・栄養士、特定保健指導従事者、検診関係者
<H24年度> <H25年度>
開催回数: 1回 1回
参加人数: 84人 72人
これまでの取組に対する評価
血清クレアチニン検査結果から糸球体ろ過量(GFR)を換算し、腎機能を評価し、保健指導につなげることが重要であることを理解できた。
研修会後の参加者のアンケートより、慢性腎臓病に対する理解が深められたり、先進地の対策の具体例を学ぶことで、今後の保健指導へつなげられる、といった意見がでていた。
慢性透析患者も年々増加傾向にあること、平成24年度から、特定検診にクレアチニン検査を追加実施している市町村もあることなどから、継続して研修会を実施し、人材の育成をし、地域で適切な医療や保健指導ができるように支援していく必要がある。
平成25年度に作成・配布したCKD予防リーフレット(医療機関編・一般編)について、周知不足を指摘されたため、今年度は鳥取県医師会・各地区医師会とともにかかりつけ医へのリーフレット内容の再周知のための研修会を各圏域毎に開催し、かかりつけ医から専門医へ適切な時期に紹介し重症化予防に取り組むこととした。
かかりつけ医等の意識調査を鳥取県健康対策協議会とともに実施予定とし、リーフレットの普及度等検証していく。