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平成27年度
6月補正予算 一般事業(公共事業以外)  一般事業要求      支出科目  款:農林水産業費 項:水産業費 目:栽培漁業センター費
事業名:

養殖事業展開可能性調査

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水産振興局 栽培漁業センター 養殖・漁場環境室  

電話番号:0858-34-3321  E-mail:saibaicenter@pref.tottori.jp

  事業費(A) 人件費(B) トータルコスト(A+B) 従事人役
現計予算額 9,820千円 13,977千円 23,797千円 1.8人
補正要求額 2,569千円 0千円 2,569千円 0.0人
12,389千円 13,977千円 26,366千円 1.8人

事業費

要求額:2,569千円    財源:単県 

一般事業査定:計上   計上額:2,545千円

事業内容

1 補正理由

●泊及び網代の漁港用地の浅い井戸から取水される井戸海水は、栽培漁業センターが保有する深い井戸と異なり、外海水に影響されやすい水温であることなどが明らかとなってきている。

    ●漁港における浅井戸の特性を明らかにし、この井戸海水を用いた養殖事業の可能性を検討するため、対象種にアワビ、カワハギ類等を加え養殖試験を実施する。

2 事業内容

(1)アワビ、カワハギ類等の養殖飼育試験を漁港用地において井戸海水を取水している養殖事業者に委託。
 <内容>
 ○井戸海水の特性把握(水温・塩分・酸素量・PH等を毎日測定することによる経時変化測定)
 ○クロアワビ養殖試験(水温と成長、生残の関係把握)
 ○カワハギ類養殖試験(ウマヅラハギの短期畜養による増体重及び比肝重量測定による品質向上効果把握)
 ※水質測定結果及び給餌量や死亡数等は毎日記帳。サイズ、重等等は月1回の定期測定
 予算額:2,328千円(委託費)

(2)井戸海水の水質測定器の整備
    井戸海水の性状を把握する上で重要な要素である溶存酸素を測定するためのポータブル測定機器を購入する。
 ○溶存酸素計(1台)の購入
 予算額:241千円(備品購入費)

3 事業の背景等

●本県は内湾がない外海の自然環境であり海面養殖業の発展が妨げられてきた。
●近年は海水温の上昇による養殖魚の斃死や赤潮の発生など、自然海水を用いた安定的な養殖は難しい状況にある。
●このため、栽培漁業センターでの比較的低く安定した水温の井戸海水を想定し、マサバや高水温を好むキジハタについて陸上養殖技術の開発を進めてきたところ。
●今年3月までに泊及び網代の漁港用地において浅い井戸の掘削を行った結果から取水される井戸海水は、外海水に近い水温及び季節変動を行うことが明らかとなってきている。
●浅井戸は設置コストを低く抑えることができ、比較的多くの取水量が得られることから、他地域への波及も期待できる。
●漁港用地で得られる井戸海水を活用した養殖に対応する適正魚種を明らかにし、本県養殖業の拡大を図る。

※井戸海水を用いた陸上養殖のメリット
・企業(異業種)が参入しやすい
・海洋環境の影響を低減
・サイズの規格化、出荷調整に有利
・生産履歴が明確など

<補正をこの時期に行う理由>
第7次栽培漁業基本計画(5月策定)にカワハギ類養殖の基礎技術開発が新たに盛り込まれており、早期に取り組む必要がある。

〜現在点で判明した浅井戸海水の特性〜(泊漁港・網代漁港)
 ・井戸深度: GL−5〜−7m
 ・水 量  : 500〜700リットル/分
 ・鉄分等  : 検出されず
 ・水 温  : 外海水に影響されやすい
          (冬は外海水と比較し1〜2℃高い程度)

これまでの取組と成果

これまでの取組状況

【マサバ】
平成24年度
種苗生産試験及び養殖試験の開始
種苗生産は目標数に10000尾に対し約6000尾で受精卵の不足、共食いの多発などから目標数には達しなかった。
養殖試験では施設完成が10月になったため、井戸海水が十分使えない状況で、オキアミと配合飼料を併用することにより、養殖開始後約10ヶ月(ふ化後約11ヶ月)で平均約500gにまで成長したが、生残率が低く問題が残った。

平成25年度
種苗生産は目標数10000尾に対し約4000尾だった。昨年の結果を受け種苗生産水槽のサイズを大きいものに変更したが、受精卵が不足したこと、原因不明の斃死が発生したことなどから平成24年度より生産尾数は減少した。このことから、採卵方法について、検討を重ね、更に先進地の視察を行った。
養殖試験では試験開始当初からマサバ養殖施設が使用できたことから、養殖当初から井戸海水を使用したが、平成24年度よりも成長が悪かった。このことから、井戸海水がマサバの適水温より低い可能性が示唆された。井戸海水飼育で配合飼料のみだと12ヶ月時点で、300g程度にしか達しないので、飼育期間がかなり延びることがわかった。

平成26年度
種苗生産は目標数40000尾に対し目標通り40000尾を生産でき、量産化に向けて足がかりができた。
養殖試験では昨年度の試験の検証で水温についての試験、また海水井戸の塩分が薄いことが多いことなどから低塩分での飼育試験などを実施している。

【キジハタ】
平成25年度
施設の整備に時間がかかったため、1月から飼育試験を開始したので成長が若干遅れ気味でスタートしたが、飼育は順調に進んだ。
県内企業でも閉鎖循環式と流水式を組み合わせたハイブリッド型の飼育が開始され、水槽の整備の指導、飼育方法の指導を実施した。

平成26年度
完全閉鎖飼育では、飼育期間が長くなると硝酸塩濃度が高くなりすぎ、摂餌量が減少するなどの問題があり、水換えが必要となった。ハイブリッド型は常に少量の水換えをするため、硝酸塩の濃度は低いため、成長に差があり、9月の時点で完全閉鎖型は約100g、ハイブリッド型は約160gとなった。

これまでの取組に対する評価

【マサバ】
種苗生産については、採卵方法、飼育方法はかなり確立され、量産化も見えてきたので、これからは産卵期のコントロールなどについて検討していく必要がある。
 養殖試験については、餌のコスト等を無視すれば、短期間で成長できるが、実際に養殖が行われる現場を想定した条件では飼育期間がかなり延びる。いずれも生産コストに影響するので、販売単価が上がってしまうため、問題がある。

【キジハタ】
初年度の試験の継続中ため、引き続き管理方法、飼育密度等の検討を続けていく。

工程表との関連

関連する政策内容

食のみやこ鳥取」の魅力ある水産物の創出や持続的な生産技術の提供

関連する政策目標

魅力ある養殖対象種の創出と普及


財政課処理欄


 備品購入費について、金額を精査しました。

要求額の財源内訳(単位:千円)

区分 事業費 財源内訳
国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
現計予算額 9,820 0 0 0 0 0 0 6 9,814
要求額 2,569 0 0 0 0 0 0 0 2,569

財政課使用欄(単位:千円)

区分 事業費 国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
計上額 2,545 0 0 0 0 0 0 0 2,545
保留 0 0 0 0 0 0 0 0 0
別途 0 0 0 0 0 0 0 0 0