これまでの取組と成果
これまでの取組状況
【マサバ】
平成24年度
種苗生産試験及び養殖試験の開始
種苗生産は目標数に10000尾に対し約6000尾で受精卵の不足、共食いの多発などから目標数には達しなかった。
養殖試験では施設完成が10月になったため、井戸海水が十分使えない状況で、オキアミと配合飼料を併用することにより、養殖開始後約10ヶ月(ふ化後約11ヶ月)で平均約500gにまで成長したが、生残率が低く問題が残った。
平成25年度
種苗生産は目標数10000尾に対し約4000尾だった。昨年の結果を受け種苗生産水槽のサイズを大きいものに変更したが、受精卵が不足したこと、原因不明の斃死が発生したことなどから平成24年度より生産尾数は減少した。このことから、採卵方法について、検討を重ね、更に先進地の視察を行った。
養殖試験では試験開始当初からマサバ養殖施設が使用できたことから、養殖当初から井戸海水を使用したが、平成24年度よりも成長が悪かった。このことから、井戸海水がマサバの適水温より低い可能性が示唆された。井戸海水飼育で配合飼料のみだと12ヶ月時点で、300g程度にしか達しないので、飼育期間がかなり延びることがわかった。
平成26年度
種苗生産は目標数40000尾に対し目標通り40000尾を生産でき、量産化に向けて足がかりができた。
養殖試験では昨年度の試験の検証で水温についての試験、また海水井戸の塩分が薄いことが多いことなどから低塩分での飼育試験などを実施している。
【キジハタ】
平成25年度
施設の整備に時間がかかったため、1月から飼育試験を開始したので成長が若干遅れ気味でスタートしたが、飼育は順調に進んだ。
県内企業でも閉鎖循環式と流水式を組み合わせたハイブリッド型の飼育が開始され、水槽の整備の指導、飼育方法の指導を実施した。
平成26年度
完全閉鎖飼育では、飼育期間が長くなると硝酸塩濃度が高くなりすぎ、摂餌量が減少するなどの問題があり、水換えが必要となった。ハイブリッド型は常に少量の水換えをするため、硝酸塩の濃度は低いため、成長に差があり、9月の時点で完全閉鎖型は約100g、ハイブリッド型は約160gとなった。
これまでの取組に対する評価
【マサバ】
種苗生産については、採卵方法、飼育方法はかなり確立され、量産化も見えてきたので、これからは産卵期のコントロールなどについて検討していく必要がある。
養殖試験については、餌のコスト等を無視すれば、短期間で成長できるが、実際に養殖が行われる現場を想定した条件では飼育期間がかなり延びる。いずれも生産コストに影響するので、販売単価が上がってしまうため、問題がある。
【キジハタ】
初年度の試験の継続中ため、引き続き管理方法、飼育密度等の検討を続けていく。