1 事業概要
平成27年1月に施行された難病医療法に関連するマイナンバーに係る省令(案)が平成27年7月に示され、難病医療費助成システムが具体的に対応すべき項目が明らかになったところであるが、制度改正に伴う改修を重ねてきたために操作が複雑化しているほか、システム間の情報連携がリアルタイムでない等の様々な不便性も生じているところであり、既存システムのマイナンバー制度に対応した改修は不可能であるため、システムの再構築を図ることとする。
2 要求額
| 要求額 | 財源 |
システム再構築経費 | 9,086千円 | 単県 |
クラウドサーバ使用料 | 92千円 | 単県 |
総合評価落札方式審査会に係る経費 | 85千円 | 単県 |
計 | 9,263千円 | |
3 システム業務概要
各種医療費助成を行う中で、下記業務をシステムにより管理している。
- 受給者の申請・審査情報の台帳管理、医療受給者証の発行
- 契約・指定医療機関(助成事業に関連する医療の受療可能な医療機関)の台帳管理
- 指定医(助成認定に係る診断が可能な医師)の台帳管理
- 給付を行った医療費の管理
4 事業背景
○現在、以下の法律等に基づく医療費助成事業をそれぞれ実施しているところであるが、マイナンバー制度の導入に伴い、患者が医療費助成の支給申請を行う際に提出が必要な書類の一部(法令で認められている特定個人情報)を県で取得することが義務づけられることとなった。
○患者情報等の台帳管理は以前より各事業毎のシステムにより行っているところであり、当制度の導入に伴い、特定個人情報を取得、管理するためには現在使用しているシステムの改修が必要である。(患者管理件数は約500〜4,000人であるため、システム間連携を行わなければ事務量が膨大となる)
○難病医療費助成に係る特定個人情報の取り扱い可能項目については、平成27年7月末に厚生労働省より案が示されるまでは不明確であったため、マイナンバーに対応した仕様の確定を行う事ができなかった。
≪各医療費助成事業≫
- 難病医療費(難病の患者に対する医療等に関する法律)
- 小児慢性特定疾患医療費助成(児童福祉法)
- 特定疾患治療研究事業(予算事業)
- 先天性血液凝固因子障害治療研究事業(予算事業)
- 肝炎治療費助成事業(予算事業)
※予算事業については、特定個人情報の取得についての法定事務ではないが、今後県条例等で定める特定個人情報の独自利用事務に含まれる方向で検討中。
5 事業実施の必要性
○現在のシステムは平成18年度以降使用しており、難病医療費助成・小児慢性特定疾患医療費助成の各事業については平成27年1月1日の新法成立及び法改正により大幅な制度改正が実施されたが、現状ではこれに対応する改修も十分になされていない状況である。当初構築されたシステムでは想定されていない改修を重ねてきたこともあり、現在のシステム供給業者ではマイナンバー制度に向けた更なる改修対応は不可。
○マイナンバー制度の導入に伴う統合宛名システムと各業務システム間での庁内連携テストは、全国一斉連携テストの開始までに完了させておく必要があり、これに間に合わせるためには早急にシステム構築を進める必要がある。
(全国一斉連携テスト:平成28年7月〜)
6 年間運用費用の比較
| 現行 | 再構築後 |
事業費
(各助成システム運営費用) | 4,717千円 | 1,144千円 |
財源 | 単県 | 単県 |
・システムを再構築した場合、年間3,940千円の年間経費が削減可能。
・初期導入経費については約3年で回収可能。
7 システム構築までのスケジュール
平成27年10月 広告
平成27年12月 入札・契約
平成27年12月〜平成28年3月 開発
平成28年3月下旬 試行運用
平成28年4月 稼働