1.背景・現状
鳥取県では、市町村長の避難勧告等の発令や防災活動、住民の自主避難の目安となる土砂災害警戒情報を鳥取地方気象台と共同で発表している。
現在の基準の策定方法は、平成18年度に外部(設計コンサルタント)業務委託を実施し、「土砂災害警戒情報検討委員会」の意見を踏まえながら、以下を解析・検討し、最終的に当該検討委員会で基準を決定している。
(検討内容)
・過去の降雨データ(15年間)から、どのような降雨が出現しているのか解析を実施。
・過去の降雨と土砂災害発生事例との関係を解析。
・県内の土質特性等、基準策定に関係する項目の検討(県内をブロック分け)
その後、国土交通省より土砂災害警戒情報の的確な運用(精度向上)を図るため「継続的な検証の実施」が通知されている。
平成21年度には、現基準決定以降(平成19〜21年度)の降雨データと土砂災害データにより第1回土砂災害警戒情報の運用検証を実施し、「土砂災害警戒情報検討委員会」に諮り、結果として現行基準は妥当と判断されるとともに原則3年毎(次回は平成24年度)の検証実施が決定した。
また、平成24年度には、平成22〜24年度の降雨データと土砂災害データにより第2回土砂災害警戒情報の運用検証を実施し、「土砂災害警戒情報検討委員会」に諮り、結果として現行基準は妥当と判断された。
2.目的
市町村が住民に避難勧告等を発令する際の目安となる土砂災害警戒情報(H20年2月運用開始)について、情報の精度向上及び利便性向上を図るため警戒基準等の検証行い、警戒避難体制の構築に寄与することを目的とする。
3.事業内容
主な事業内容は、下記のとおり。
・最新のデータ(平成25〜27年度)を追加し、検証の基準、見直しを行う。検証は外部委託業務により、国交省砂防部、気象庁予報部及び国総研砂防研究室が取り纏めた「土砂災害警戒情報の検証手法」に基づいて、データ解析・検討を行う。
・平成23年度から安心トリピーメール及びCATVに提供を開始した鳥取県土砂災害警戒情報システムで運用している土砂災害危険度情報について、メールユーザーやCATV視聴者を中心に、業務委託の中で利用者アンケートを実施し、より良い土砂災害警戒情報の運用に向けた検討を行う。
・データ解析・検討後、検討委員会を開催し、検証手法や見直し基準(案)の妥当性、今後の運用について諮り、基準・方針を決定する。
・検証に必要な降雨データは、鳥取地方気象台から提供を受けるものとし、土砂災害のデータについては治山砂防課で保有する「土砂災害DB」によるものとする。
○必要経費 = 10,000千円
<必要性>
平成22年3月に第1回運用検証を実施し、検討会により警戒基準等の検証を行うとともに、3年毎に検証実施することが確認された。これに基づいて平成24年度に第2回運用検証を実施し、その後、3年が経過するため、平成27年度に第3回運用検証を実施する。