1 事業の内容
当所で実施している次の検査について、検査方法を改良することで試験の迅速化を図るもの。
○PCB分析
- 排水や底質試料にPCBを添加し、精製操作に絶縁油専用PCB前処理装置を用いた方法で検査精度を確認
- 良好な分析条件を選択し、試験法の妥当性評価を実施
○動物用医薬品分析
- 文献調査により検討する試験法の選定
- 選定した試験法を実際に試行し、検査精度を確認
- 良好な分析条件を選択し、試験法の妥当性評価を実施
2 事業の必要性
PCB分析法の改良について、PCB流出事故の際に実施する水質や底質中のPCB検査では、繁雑な前処理工程があり検査結果が判明するまでに時間がかかる。緊急対応の試験であり、結果回答には迅速性が求められる。
動物用医薬品分析について、牛の動物用医薬品の検査は、現在4種の試験法により8項目を、豚では4種の試験法により6項目を検査している。試験法が多数あるため、試験法ごとに抽出精製操作と分析を行うため効率が悪く時間がかかるが、依頼者からは迅速な結果回答を求められている。
3 事業の効果
検査の迅速化による健康危機事案の対応スピードの向上、試薬等の使用量削減による資源使用量の節減効果、検査時間短縮による業務改善、時間外勤務短縮効果が見込まれる。
また、評価結果を所報等で公表することで、他の試験機関でも同様の分析法を採用し効率改善に役立つ可能性がある。
4 要求額の内訳
内訳 | 要求額(単位:千円) |
備品費 | 0 |
普通旅費 | 0 |
医薬材料・消耗品費 | 514 |
合 計 | 514 |
5 事業期間及び経費
年度 |
内容 |
事業費
(単位:千円) |
H27 |
文献調査
予備試験の実施、分析法の選定
試験法妥当性評価の実施
標準作業書の作成
研究結果のとりまとめ |
514 |
合計 |
514 |
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
PCB試験法については確立された方法により精度よく試験を実施していた。
動物用医薬品の試験は今年度からの試験項目変更に伴い、既存試験法により妥当性評価を行い対応しているが、項目ごとに適用可能な試験が分かれており効率が悪い。
これまでの取組に対する評価
試験結果の精確さと迅速性を満たす試験法として、行政から求められる一定の水準のものは達成できていると考える。しかし、緊急対応では可能な限りの迅速性を求められることもあり、そういった要望への対応ができていない。