1.終了の理由
一定の成果が得られたため
2.事業の概略説明
近年、基肥一発肥料の使用面積が全体の4割を越え、増加傾向にあるが、新品種であるきぬむすめ・ヒカリ新世紀の基肥一発肥料について品種や地域に適した肥料銘柄の選定・肥培管理が十分に行われていない。その結果、収量や食味が不安定で、流通面から食味向上について強い要望がある。H24、H25は夏季高温により主要品種であるコシヒカリ、ひとめぼれで品質低下が見られたため、気象変動を考慮した米品質向上対策技術の確立が急がれている。
このため、きぬむすめ・ヒカリ新世紀の収量と食味向上、基肥一発肥料の施肥技術の再構築を行う。
3.得られた研究成果
農業改良普及所との連携により現地圃場を中心とした試験を実施し、調査結果から施肥法の違いが収量・食味へ与える影響についてデータが得られた。
1km四方メッシュによる農業気象データを活用し、コシヒカリ、ひとめぼれの生育予測が可能となり、気温と品質の関係を把握するデータが得られた。
4.事業の効果
(1)きぬむすめ・ヒカリ新世紀の一発施肥肥料体系栽培における食味向上技術の基礎データとして活用
(2)農業気象データを用いた水稲の生育・品質改善技術の基礎データとして活用
5.残された問題点
近年、作付面積が増加しているきぬむすめについて農業気象データと水稲の生育・品質との関係把握の基礎データが不足しているため、継続したデータ蓄積・解析が必要である。
6.問題点に対する対応
関係機関との連携により、きぬむすめの栽培データの蓄積・解析を行い、農業気象データとの関係性を明らかにする。