1 目的
昨年12月、トヨタが世界初の量産型FCV(燃料電池自動車)の販売を開始。また、27年度から28年度にかけて、国内自動車メーカーは相次いでFCVを市場投入する。次世代自動車の一翼を担うFCVの普及促進と再エネ由来(クリーン水素)の供給インフラ整備を念頭に、「鳥取県水素エネルギー推進ビジョン」を策定し、将来到来する「水素社会」への道筋を示す。また、県民や県内企業に対して、「水素社会」を体感できるフォーラムを開催し、水素エネルギー推進への課題や現状について、オープンに議論する。
2 概要
水素エネルギー推進ビジョン策定事業
水素インフラ環境整備に向けた実証ステーション整備検討や暮らしの中での水素利活用に向けた実証研究プロジェクトなどを有識者等で構成するビジョン検討会を創設し、ビジョンを策定する。
【検討会の構成団体】
大学、自動車メーカー、ハウスメーカー、地元企業など
【開催時期】
7月下旬、11月下旬 計2回開催
【総事業費】
1,776千円 (謝金、特別旅費)
水素エネルギー推進フォーラム
「水素社会」の実現に向けた現状と課題、すすむべき方向性について、燃料電池の開発状況やFCV開発の現況、暮らしの中での水素利活用などの講演のほか、県民が水素を体感できるFCV試乗会やクリーン水素ステーションや家庭での水素発生装置などの展示により、近未来の姿を感じられる、子どもから大人まで楽しめるフォーラムを開催する。
【講演会】
大学、自動車メーカー、水素インフラ供給事業者などの講演
【試乗会等】
移動式水素ステーションによるFCV試乗会等
【展示等】
再エネ利活用によるSHS(クリーン水素ステーション)、コンセプトカーの展示。水素関連技術の紹介(パネル展示)など
【総事業費】
5,500千円 (謝金、特別旅費、イベント委託費など)
3 ビジョンの骨子
水素を「つくる」、「つかう」、「つながる」をコンセプトに未来の水素エネルギー社会を描く。
【骨子】
・FCVの導入促進への環境整備
⇒ FCV、SHS(スマート水素ステーション)の導入検討
・水素を活用した家庭等の省エネ・再エネの導入促進
⇒ スマートハウス創造プロジェクトの検討
⇒ 定置用燃料電池(エネファーム等)の普及・拡大への方策 検討
4 背景
【エネルギー基本計画(水素部分概要)】2014年4月閣議決定
「水素社会」の実現に向けた取組の加速
(1)定置用燃料電池(エネファーム等)の普及・拡大
(2)FCVの導入加速に向けた環境整備
(3)水素の利活用に向けた水素発電等の新たな技術の実現
(4)安定供給に向けた製造、貯蔵・輸送技術の開発の推進
(5)「水素社会」の実現に向けたロードマップの策定
【ロードマップの概要】 2014年6月経産省公表
<フェーズ1>現在〜:水素利用の飛躍的拡大
エネファーム・FCVの活用を大きく広げ、世界市場を獲得
<フェーズ2>〜2020年代後半:大規模水素供給システムの確立
従来の「電気・熱」に「水素」を加えた新たな二次エネルギー構造を確立
<フェーズ3>〜2040年頃:CO2フリー水素供給システムの確立
再生可能エネルギー由来水素を活用し、トータルでのCO2フリー水素供給システムを確立
【FCV等の現状と課題】
2014年12月に市場投入されたFCVの普及に向け、2015年度までに4大都市圏を中心に100箇所程度の水素ステーションの整備を目指すこととしている。(経産省)
<水素ステーションの整備状況> ※H27.3末時点
実証水素ステーション:18箇所
商用水素ステーション:45箇所 ⇒ 100箇所(H27年度末)
<水素インフラの課題>
商用水素ステーションの整備コストは、約5億円と非常に高額。また、ランニングコストが年間4500万円と高コスト。