1 事業の目的
基礎的な学力が不足し、学習への興味関心を持たない生徒に対し、学校独自の基礎科目(学び直し)を設定し、ICT機器を活用しながら、中学校で学習してきた内容を振り返らせ、学習及び学力の定着指導を行うとともに、高校の学習内容への効果的な接続を研究し、生徒の学ぶ意欲を育成する。
2 事業概要
○モデル校1校を指定し、学校独自で設定した基礎科目の授業において、小中学校の学力を補うために、学習の一部をデジタル化し、独自作成問題をタブレット型端末のアプリケーションソフトに乗せ、生徒の学習レベルにあった問題を教材に用いて振り返り学習を行う。
モデル校:智頭農林高校
※使用するアプリケーションソフトは、タブレット端末で記述・記入が可能なドリル形式のものを想定
○特別な支援を要する生徒がいる学校、特別支援学校等と連携をとり、タブレット端末を用いた学び直しの効果的な学習活動の充実を図るために実施する。
3 費用
単位:千円
区分 | 金額 |
ライセンス料(50台まで接続) | 149 |
初期導入費用 | 362 |
サーバー構築費 | 429 |
合計 | 940 |
4 事業の効果
○タブレット端末を用いた学習や協働学習による学びあい、教えあいの学習方法により、生徒の集中力が高まり、学ぶ意欲が向上することが期待できる。
○教員のタブレット端末で生徒の学習状況が確認できるため、各生徒の習熟度にあった段階的な問題を独自作成し、学ぶ意欲の喚起を行い、達成感を持たせ継続的な学習につなげることができる。
○デジタル化したドリル形式の教材を活用することにより、生徒の定着度に応じて問題量を調整することができ、教員が授業時間を有効に使い、生徒に指導・支援ができる。
○特別な支援を要する生徒や学び直しが必要な生徒がいる学校と連携をし、授業改革やより効果的な独自作成アプリの開発が期待できる。
5 背景
平成23年度末に、高等学校学力向上推進委員会から「学力向上に関する提言」を受け、平成24年度以降、協調学習など最新の学習科学の知見に基づいた授業法についての研修や、各学校における外部講師を招いての研修等により、授業改革が大きく進みつつある。
一方で、基礎学力が十分定着していないため、授業について行けない生徒もおり、基礎学力の定着が大きな課題となっている。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
智頭農林高校では、学校設定科目「マルチベーシック」を導入し、小中学校時の学習内容を振り返りながら基礎学力を伸ばし、学ぶ喜びを実感させることで意欲を引き出す取り組みを行ってきた。
これまでの取組に対する評価
「マルチベーシック」を実施することにより、小中学校時の学習内容の振り返りが可能となったが、解答の確認作業や1人の生徒への指導に時間がかかる場合があり、定着指導や高校の学習内容に向けての学力補完の時間が十分に確保できていない状況である。