(1)背景
・近年、化石燃料の高騰・廃材処理・CO2対策などを背景に、県内でも木質バイオマス発電施設(境港市)やチップボイラー・薪ボイラー等の設置が進められており、今後、木質バイオマスの需要拡大が見込まれる。
・燃料として木質バイオマスを利用する上で、木質材料に含まれる水分率が着火性・燃焼性・発熱量に影響を与えるため、その利用促進には、燃焼に適した水分率にまで低減させる管理技術が重要となる。
・現状では、原木からチップ(又は薪)に至る生産工程の中で水分率の低減管理ができておらず、データもないため経験的に対応している状況にある。
(2)目的
・燃料用丸太(低質材(C、D材))の効率的な水分低減技術の検証と確立により、県産の木質バイオマス燃料の品質向上と安定供給体制づくりを促進する。
(3)効果
・水分率が低い良質な燃料用木質バイオマスの安定供給が可能となる。
・中山間地域の身近な未利用資源(C・D材)が木質バイオマス燃料として有効活用できる。
・高騰した輸入化石燃料から地域資源への利用が促進され、木質燃料ビジネスの育成に資することができる。
(1) はい積みされた燃料用丸太の水分率調査
・中間土場、チップ工場ヤードにはい積みされた燃料用丸太の水分率変動(季節別)を調査する。
・丸太直径やはい積み内の丸太位置等から、はい全体の水分量減少を予測できるようにする。
(2)燃料用丸太の水分率の効率的低減方法の検討
・はい積み丸太の間に通気空間を設ける方法によるモデル試験を行い、含水率変化を調査する。
(3)チップ化後の水分率の測定と検証
・水分率を低減した燃料用丸太で製造した木材チップの水分率を測定・検証を行う。
(4)燃料用薪の水分率の効率的低減方法の検討
・薪(薪ボイラー用等)について、切り割りの方法別に水分率(季節別)を調査する。
・ビニールハウスを利用した温室乾燥による水分率変化(季節別)を調査する。