1 事業内容
高齢者虐待防止法に基づき県内の高齢者虐待問題に適切に対応するため、高齢者の権利擁護に対し様々な支援を行い、高齢者虐待対応のための体制を整備する。
(1)地域における高齢者虐待防止の推進
○高齢者の権利擁護相談支援事業
【委託先】
一般社団法人とっとり東部権利擁護支援センター
一般社団法人成年後見ネットワーク倉吉
一般社団法人権利擁護ネットワークほうき
(東部と西部は成年後見ネットワークを法人化)
【財源内訳】国1/2、県1/2
【委託料】 2,172千円(2,172千円)
【委託業務概要】
弁護士、司法書士、社会福祉士等の専門家チームによる面接相談や地域包括支援センター職員等への助言等
◇経緯
平成20年度:成年後見ネットワーク鳥取、米子へ委託
平成21年度:同上倉吉に委託開始
当該事業は高齢者虐待防止法に規定される高齢者虐待の専門的支援を目的に実施されているもの。必要な職種で構成される団体は上記三者のみ。
○高齢者虐待対応担当者研修
【委託先】鳥取県社会福祉士会
【財源内訳】国1/2、県1/2
【委託料】931千円(932千円)
【委託業務内容】
通報受付機関(地域包括支援センター及び市町村)の職員に対し、現場対応力向上を目的とした研修を実施する。
H26年度から「養介護施設従事者による高齢者虐待対応標準研修」を追加し、「養護者による高齢者虐待対応研修」とあわせて各3日間実施。
◇経緯
平成22年度:試行的に実施
平成23年度〜:鳥取県社会福祉士会へ委託開始
当該事業は日本社会福祉士会が厚労省の補助により開発したプログラムを活用した研修事業であり、実施可能な者は県社会福祉士会のみ。また、法に規定される人材育成の一環である。
平成25年度には「養介護施設従事者による高齢者虐待対応標準研修」が実施され社会福祉士(2名)参加。
(2)高齢者施設における高齢者虐待防止の推進
○看護指導者養成研修派遣
【委託先】社団法人日本看護協会教育研究センター
【財源内訳】国1/2、県1/2
【委託料】345千円(309千円)
【委託業務概要】
医療的な観点から介護施設等における権利擁護の取組みに必要な専門的知識・技術を習得するための研修に派遣する。
対象者:特別養護老人ホームの看護師(3名)
○高齢者施設における高齢者権利擁護研修会
施設内における権利擁護や身体拘束廃止に向け、具体的な知識と技術を習得するため、研修や意見交換会を行う。
【実施主体】県
【財源内訳】国1/2、県1/2
【事業費】196千円(196千円)
【対象者】高齢者施設に従事する職員
【開催回数】年1回
2 積算根拠
(1)地域における高齢者虐待防止の推進
○高齢者の権利擁護相談支援事業 2,172千円(2,172千円)
@724,000円×3カ所=2,172,000円
<委託料の明細>
面接等相談 240,000円(8,000円×30件)
ケース会議派遣 384,000円(16,000円×24件)
研修会派遣 72,000円(24,000円×3回)
事務費 8,000円
旅費 20,000円
○高齢者虐待対応現任者研修 931千円(932千円)
<委託料の明細>
報償費 444,000円(222,000円×2回)
旅費 192,000円(96,000円×2回)
事務員賃金 135,000円(67,500円×2回)
事務費 160,000円(80,000円×2回)
(2)高齢者施設における高齢者虐待防止の推進
○看護指導者養成研修派遣 345千円(309千円)
看護指導者旅費 195,000円
研修委託 150,000円
○高齢者施設における高齢者権利擁護研修会 196千円(196千円)
報償費 102,000円
旅費 39,000円
事務費 55,000円
○ほか標準事務費 73千円(73千円)
3 背景・目的
本県における平成22年度高齢者虐待の対応状況調査において、家庭内での高齢者虐待判断事例が92件(前年度114件)であった。(H23年度:94件、 H24年度:72件)
地域住民や高齢者自身の高齢者虐待に対する認識や地域包括支援センター等職員の対応にも温度差があり、顕在化していないケースも少なくないと推測される。
市町村における高齢者虐待の未然防止・早期発見・早期介入(再発防止)等総合的な体制整備を引き続き支援する必要がある。
施設内における高齢者虐待は、閉鎖性・隔離性という施設特有の構造的特性によってその実態は潜在化しやすく表面化しにくいことから施設従事者の質の向上が求められる。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
市町村が困難事例などに対応できるよう、専門職(弁護士、司法書士、社会福祉士等)が対応できるように、専門機関へ業務委託をし、助言・講習等を実施した。(H25.4〜9月全相談件数 鳥取:339件、倉吉:410件、米子:1004件、H24年度 鳥取:194件、倉吉:106件、米子:2053件))
また、市町村及び地域包括支援センター職員の高齢者虐待対応力向上のためにの研修も実施した。
その他、施設従事者に対しても、身体拘束廃止等について研修の機会を設けている。
これまでの取組に対する評価
一般家庭における高齢者虐待は平成22年度(151件)に比べ23年度(180件)は増加してたが、24年度(124件)は減少しており効果が見られるが、依然高い件数ではある。各市町村や包括の業務も増加している中で、高齢者虐待に対する効果的・効率的な対応が求められる。
また、施設における虐待も少数ながら毎年報告されているため、施設従事者に対する対策も、さらに充実が必要である。