(1)「被害対策強化区域」の設定
景観等の優れた国立公園の内、既にナラ枯れ被害が発生したミズナラ林(※)を含み、被害の先端となっている区域。
※ナラ菌(ナラ枯れ原因菌)に対して感受性が高く、枯損しやすいため、激害林となりやすい。
(2)カシナガ駆除率を向上させる対策
緩傾斜地で採用される伐倒駆除(搬出破砕・くん蒸・ビニールシート被覆)では、樹幹内から脱出してくるカシナガをほぼ100%駆除している。
一方、伐倒駆除の難しい急傾斜地では、立木くん蒸を実施しているが、駆除率は80%程度にとどまっているため、新たに立木くん蒸とビニールシート被覆を組み合わせ、徹底した対策により駆除率を95%程度まで向上させる。
(3)調査・駆除エリアの拡大
現在の被害木調査は、枯損木の周辺だけを調査しているが、さらに調査精度を上げるため、現調査範囲にとどまらず、確認した穿入生残木から、さらに目視が効く範囲まで、広域化して調査を行い、また、調査対象樹種にシイ・カシ類(※1)を加え、被害木を把握し、徹底した駆除につなげることとする。
※1 カシナガが穿入しても、枯損しないが、翌春以降カシナガが大量に脱出する。
増加した被害木を全量処理するため必要な予算は、今年度予算で不足する部分の内、当該補正予算を充当し年度内執行を目指す。
さらに不足する予算は、来年度、国からの予算配分後(5月以降)、速やかに着手し、カシナガ発生前に駆除作業を終了させる。