(1)物流業を取り巻く状況
・高規格道路網の充実や境港の港湾機能強化等、県内及び鳥取県周辺の配送環境の整備が進んでおり、企業によるBCP対策としてのリスク分散拠点設置の動きは現在も活発であり、拠点設置に伴う戦略的な物流対応の必要性は増している。
・物流業は、将来にわたり県内産業を支える分野であること、今後の企業誘致を進める上での必要な機能であること、雇用創出効果が見込まれることなどからも、戦略的な拠点設置促進が必要。
・実際に近隣では既に広島県、岡山県、山口県が物流分野への支援制度を創設しており、島根県も来年度からの支援を検討中。
(2)成長分野への戦略的な誘致
・大手電機電子関係企業の事業再編により、県内の産業構造が崩壊。電機・電子関連産業に替わる産業による再構築が急務であり、本県の経済成長をリードする新たな分野の産業が必要。
・近年、成長産業(自動車、航空機、医療機器)と言われる分野の核となりうる企業の誘致が実現し、鳥取県産業構造の再構築を図る上で戦略的に誘致を行う成長分野について、関連企業によるバリューチェーンの構築を図り、もって、県内の当該分野における競争力強化と、産業集積を目的とする。
・上記成長分野は需要拡大傾向にあり、国内の関連企業も大規模な設備投資を各地で行っている。これらの流れを鳥取県に取り込むには早期に県としての明確な意思表示(対応)が必要となる。
(1)対象業種に物流業を追加
物流業の振興を図るため、企業立地事業補助金の対象業種に物流業(道路貨物運送業)を追加。
追加する業種:道路貨物運送業
※「県内の製造業」または「地域経済の活性化に資する製造業」と密接に関連するものに限り、県内企業の経営に重大な影響を及ぼすものを除く。
対象経費:特定の製造業と密接に関連するロジスティックのための設備投資に要する経費(倉庫建設費及び土地購入費、荷捌き設備。車両を除く。)
※投資・雇用要件等は製造業と同等に設定
区分 | 対象業種 | 補助基準 | 補助額 |
ア | 製造業、その他知事が必要と認めた事業(農林水産事業に係る原材料への設備投資含む)、
[新]道路貨物運送業 | (1)投資額:1億円超
(県内中小企業は3000万円超)
雇用:常雇10人以上
(県内中小企業は3人以上)
(2)CO2削減効果設備投資への補助 | (1)投資額
の10%
(2)投資額
の1/3 |
特定製造業 | 投資額:1億円超
(県内中小企業は3000万円超)
雇用:常雇10人以上
(県内中小企業は3人以上) | 投資額の30% |
イ | 自然科学研究所・技術者研修所 | 投資額:3000万円超
雇用:技術者5人以上
(県内中小企業は3人以上) | 投資額の30% |
ウ | ソフトウェア業・機械設計業・デザイン業・研究開発型企業 | 投資額:3000万円超
雇用:技術者5人以上
(県内中小企業は3人以上) | 投資額の10% |
エ | 情報処理・提供サービス業 | 投資額:3000万円超
雇用:含パート20人以上 | 投資額の10% |
オ | コンテンツの制作等を行う事業 | 投資額:3000万円超
雇用:5人以上
(県内中小企業は3人以上) | 投資額の10% |
(2)加算措置の創設・整理
〇成長分野県内バリューチェーン構築加算(+10%)等の創設
成長分野(航空機、自動車、医療機器)関連企業が行う、設備投資等に対して次の措置を行う。
<投資・雇用要件の緩和>
投資額:3,000万円超、雇用増:3人以上
※県内中小企業と同じ扱い
<補助率の加算>
設備投資:10%加算(加算上限5億円)
※他の加算措置との併用不可
適用要件
- 行われる事業が、既立地企業等(成長分野限定)が行う製造工程において、不可分な工程を担うものであること。
※県内企業が技術力・受注量等を理由に担うことができない工程に限る。
- 行われる新増設事業が、既立地企業等(成長分野限定)との取引のために行われるものであること。
- 行われる新増設事業が、既立地企業等(成長分野限定)の競争力強化(高付加価値化、効率化等)に資すると知事が特に認めたものであること。
|
※工程の一部のみを担う企業であることから、核となる既立地企業より小規模な企業を想定
加算措置の変更内容
改正後 | 改正前 | 加算率 |
(1)戦略的推進分野 | (1)戦略的推進分野
(2)先進的技術又は県内資源の活用
(3)著しい雇用増 | +5% |
 | (ア)生産・開発等機能の集約化
(イ)国内回帰 |  | (ア)生産・開発等機能の集約化
(イ)特に著しい雇用の増加<廃止> | +5% |
(2)先進的技術又は県内資源の活用
(3)著しい雇用増 | − | +5% |
− | 国内回帰 | +5% |
[新]成長分野県内バリューチェーン構築加算 | − | +10% |
変更なし | 本社機能等移転 | +10% |
変更なし | 海外企業の国内進出 | +10% |
変更なし | 中山間地域への立地 | +10% |
変更なし | リスク分散 | +5% |
変更なし | 県内中小企業が行うニッチトップ技術・サービス投資 | +10% |
※太枠内の加算措置整理は当初予算にて要求