1 査定結果
普及啓発を目的にした「子どもと家族の絆フォーラム」については、平成26年度に全県的なフォーラムを開催し、一定の目的は達せられたと考えられるので、平成27年度実施は認めない。
2 事業内容
国が示す「社会的養護の課題と将来像」では、社会的養護は家庭的養護を優先する(里親委託優先の原則)こととし、平成41年度には児童養護施設等の本体施設、グループホーム、里親・ファミリーホームの割合を、3分の1ずつとする目標を掲げている。県でもこの目標を実現するため、都道府県推進計画を策定し、里親委託を推進する取組の強化を図っているところであるが、そもそも里親の新規登録者を増やしていくことが入口として必須である。そのためにも、まずは一般県民に「里親」という存在を知っていただき、正しい知識を広く周知することを目的としたフォーラムを開催する。
※平成26年度に西部(米子市)で開催したが、規模を縮小しつつ東部(鳥取市・予定)で開催する。
3 調整要求理由
(1)現状
県は里親支援機関とも連携して里親制度の普及啓発活動に取り組んでいるところであるが、里親あるいは里親制度に対する無知やマイナスイメージの誤解が多い。
一方、平成26年度に本フォーラムに参加した方には、フォーラムへの参加を通して里親制度を初めて知るなど、正しい理解を深める契機としていただけた方もいた。
(2)必要性
平成26年度に初めて本フォーラムを開催したが、開催地が米子市であったこともあり、西部地区への浸透が中心となったことは否めない。東中部地区の県民が気軽に来場できるよう、平成27年度に鳥取市でもフォーラムを開催し、東中部地区における制度の浸透を促進することが必要である。
(3)フォーラム実施により期待できる効果
・里親及び里親制度を県民に周知、拡散
(里親の認知度の向上)
・里親に対する県民の興味を喚起、普及活動の活性化
(里親志願者の増加促進)
・里親及び里親制度について正しい知識の周知
(地域における里親・里子を受け入れ、見守る機運の醸成)
(4)意見等
【社会福祉審議会児童福祉専門分科会委員より】
・国の方針としては、里親を増やして地域でいろいろな経験をしながら育てていくことを目指しているが、まずは里親が増えるのかという問題がある。
・里親を増やしていくために大勢に知ってもらう機会を準備することが大切。
【フォーラム参加者アンケートより】
・里親のことはこれまでよく分からなかったが、今回知るきっかけとなってとても良かった。(20代)
・里親になることは難しいが、自分にできる事は何か考えてみる。(30代)
・里親制度の趣旨等は勉強になった。(40代)
・里親制度があることを初めて知った。(50代)
【フォーラム実行委員より】
・是非東部でもう一度開催して、里親についての全県での理解を深めたい。
【その他普及啓発活動参加者の声より】
・里親とは触れてはいけない暗い話題だと思っていた。
・里親=養子縁組と勘違いしていた。
4 調整要求額
調整要求額 426千円
支出科目 | 区分 | 当初要求(要求)査定(千円) | 調整要求(千円) | 対象経費 |
委託料 | 報償費 | (1,223)
0 | 200 | 講演会講師謝金、劇団謝金、手話通訳者謝金等 |
旅費 | (250)
0 | 50 | 講師旅費、劇団旅費等 |
その他需用費 | (420)
0 | 126 | 広報物品作成等 |
役務費 | (37)
0 | 20 | 郵便・電話代等 |
使用料 | (100)
0 | 30 | 会場使用料等 |
計 | (2,030)
0 | 426 | |
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
里親委託を推進するため、里親に身近な里親支援機関を設置し、里親制度の正しい理解と里親への支援体制の充実及び里親委託を促進することを目的として事業を実施した。
・子どもと家族の絆フォーラム
H26は9月に米子市で開催、里親を知ってもらうという観点から講演、演劇公演等を実施し、300人を超える県民の来場があった。
これまでの取組に対する評価
【成果】
・鳥取県の平成24年3月末の里親委託率は21.7%で、全国平均(14.8%)を上回っている。(※平成26年10月1日現在では20.6%)
【課題】
・里親制度は日本ではまだまだ認知度の低い制度であるため、制度を周知するための地道な広報が必要である。
・里親の委託には、里親と里子の相性や里親委託することによる里子の不利益の解消等のため、より多くの里親が必要である。