1 事業の目的
公共工事の主要資材である再生砕石及び再生アスファルト合材の品質向上を図るため、実態調査により品質の確認を行うとともに、その結果を踏まえた改善指導を行う。
2 背景
公共工事に伴って発生する建設副産物は、リサイクルの観点から、再資源化施設への搬出を行い、再資源化された再生材を公共工事にて活用しているところである。
ただ、再生材の優先的な活用を開始してから、10年以上経過し、再生材の利用されたものを再度再資源化するという、2重3重のリサイクルが進み、品質の劣化が懸念されるところである。
品質が劣化した場合、アスファルト舗装の寿命が短くなり、早期の舗装のはがれや陥没等の原因となり、県民生活に影響を及ぼすことが想定されるため、品質の向上への取り組みが必要である。
また、品確法(公共工事の品質確保の推進に関する法律)の改正(H26年6月施行)により、将来にわたる公共工事の品質確保が基本理念に追加され、今後、さらなる品質の確保が必要である。
2 事業内容・必要額
○再生砕石品質実態調査 C=3,030(758)千円
再生砕石は、その主原料が建設副産物であり、環境面においては非常に優れた製品である反面、原材料の均一性を確保することが困難なことから、試験成績証明書の対象となった材料と実際の現場において使用される材料との品質の乖離が懸念される。
このことから、実際に現場において使用される材料を監督員が採取し、その材料試験を行うことにより、その品質を確認する。
また、近年調査の結果、不合格と判定される場合が多いことから、調査回数を増やすとともに、新たに工場への立ち入り検査を行うこととする。
○再生アスファルト合材品質実態調査及び建設廃棄物発生量調査 C=1,518(0)千円
・鳥取県内の再資源化施設の登録要件として、再生アスファルト合材の供給基準値は、受入量の60%以上としている。
・さらに、鳥取県県土整備部公共工事建設副産物活用実施要領では、再生合材は再生骨材を全体重量比20%以上含んだものとして規定している。
・一方、再資源化施設からは、再生材の原料となる建設廃棄物(コンクリート塊、.アスファルト・コンクリート塊)の受入量が少ない時期があり、再生材の生産に支障を来すとの声が出ている。
・また、施工業者は工事の際に再生材の品質のバラツキを指摘している。
・このため、建設廃棄物の発生量を調査すると共に、再生アスファルト合材の品質の実態を調査する。
・必要に応じて、再資源化施設の登録要件や建設副産物活用実施要領の改定について検討する。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
県内では約40社が再生砕石を生産しているが、再生砕石は既設の構造物(コンクリート、アスファルト等)を破砕したものを原材料としており、品質の確保が困難であるが、舗装路盤の材料、構造物の基礎砕石等に使用しているため、その品質の確保は重要である。
このため、平成13年度から調査を実施し、試験結果によって改善指導等を行うなど再生砕石の品質向上を図っている。
これまでの取組に対する評価
再生砕石品質実態調査については、平成24年度の調査では、「骨材のふるい分け試験」で規格値を外れた生産者が2社あり、文書による改善指導を実施したが、全県的に品質自体は向上してきている。
再生砕石の品質は新材と比べ、バラツキが生じやすいため、引き続き実態調査を行うが、調査回数は検討する必要がある。