1 現状と課題
○漁港法の改正に伴い、平成12年に県が管理していた第1種漁港8漁港が市町へ移管された。
○移管されたものは、鳥取市の岩戸、酒津、船磯、夏泊及び青谷漁港、岩美町の東漁港、大山町の御崎及び御来屋漁港である。
○本県の海岸線は約6割が砂浜海岸であり、冬季の厳しい風浪による著しい砂の移動により、漁港内及び航路に砂が堆積し、漁船が出航できない、漁船が船底をこする等、漁業活動に重大な支障をきたしている。
○漁業活動の安全性や安定的な水産物の供給のため、航路及び泊地に堆積した砂を除去する必要があるが、毎年度、多大な浚渫経費を要し、市町財政の負担となっている。
○一方、県内各地の海岸では、砂浜海岸が減少する海岸侵食が深刻化しているおり、サンドリサイクルによる浚渫砂の有効活用が必須であり、砂浜海岸の保全、良好な海岸環境の創出及び総合的な土砂管理の推進を図る上で、各管理者が協働・連携して取り組んでいくことが重要である。
○また、国土強靱化の観点から、今後、市町漁港管理者は機能保全事業を実施していく計画であるが、新たな取り組みであり、技術的な連携強化が必要となっている。
2 本県の海岸環境保全
本県の海岸環境の保全に当たっては、海岸に係る総合的な保全の基本的な考え方及び海岸保全施設の整備について定めた海岸法に基づく「鳥取沿岸海岸保全基本計画」を策定し推進している。各管理者が各々の役割分担のものと「鳥取沿岸海岸保全基本計画」を推進していくためのツールとして、「鳥取沿岸の総合的な土砂管理ガイドライン」を策定し、また、「鳥取県東部・中部・整備沿岸土砂管理協議会」を設置し、関係機関が調整・検討・連携しながら総合的な土砂管理等を促進しているところである。
3 事業概要
<サンドリサイクル協働連携推進事業>
市町が実施している第1種漁港に係る維持浚渫砂は、公衆が利用できる海岸環境を創出し、白砂青松の砂浜海岸の保全に寄与している。
市町が実施しているサンドリサイクルのうち、市町以外が管理者である砂浜海岸に養浜するものについて、本来、県が海岸環境の保全及び公衆の海岸の適正な利用を図り、県土の保全を実施すべき役割を担っていることから、その費用の一部(運搬・投入経費の1/2)を役割分担(アロケ)するものである。
<市町漁港関係事業技術連携事業>
本県の重要産業である水産業を振興するため、水産業の拠点、漁業活動の基盤である漁港を適正に維持・管理できるよう漁港関係事業制度、漁港管理、機能保全事業等に関する研修会を開催し、市町漁港管理者に対する技術的な連携を強化する。
4 要求内容
○漁港浚渫砂を養浜のために有効活用するための県と市町
の協働連携事業
サンドリサイクル協働連携推進事業費 C=16,300千円
○市町漁港管理者に対する技術連携強化
市町漁港関係事業技術連携事業費 C=154千円