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平成27年度
当初予算 一般事業(公共事業以外)  政策戦略事業要求      支出科目  款:農林水産業費 項:農業費 目:農作物対策費
事業名:

園芸産地活力増進事業

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農林水産部 生産振興課 野菜花き担当  

電話番号:0857-26-7272  E-mail:seisanshinkou@pref.tottori.jp
  事業費(A) 人件費(B) トータルコスト
(A+B)
正職員 非常勤職員 臨時的任用職員
27年度当初予算要求額 102,446千円 25,625千円 128,071千円 3.3人 0.0人 0.0人
26年度当初予算額 36,044千円 24,765千円 60,809千円 3.2人 0.0人 0.0人

事業費

要求額:102,446千円  (前年度予算額 36,044千円)  財源:単県 

事業内容

1 事業概要

鳥取県農業の強みの一つである野菜や花き等の振興を図るため、園芸品目の産地づくりや中山間特産物の育成、大規模稲作農家の水稲から野菜への転換を支援する。あわせて、加工業務用野菜等の供給体制を整備しながら、「とっとりフードバレー」の形成を目指す。

2 戦略事業の目的

事業全体を通して、補助金のみに頼ることなく、地域や農家が「強み」を活かして、創意工夫を凝らしながら低コストで収益性の高い農業を目指していくことを推進、奨励する。
    • 地域農業の「強み」を伸ばすには、農家の動向や市場ニーズなどに通じたJA等が積極的かつ機動的に産地づくりに取り組むことが重要。県としてもプランによらないメニュー方式の支援策を講じて、地域の主体的な取組に集中投下する。
    • 中山間地域等での特産物づくりを推進するとともに、担い手が稲作以外の品目を志向する取組をモデル的に支援し、新たな産地づくりの「芽」を育む
    • 園芸品目への転換など水田フル活用によって、米価下落などのリスクに強い担い手を育成する
    • 低コスト、施設化などの品目を横断する課題については、農業団体や大学、県等の技術者が担当品目にとらわれない横串的な研究会により課題解決と技術普及の体制強化を図る。

3 事業内容

(1)発展・成長タイプ【新規】     要求額 60,000千円 エース級園芸品目の生産基盤をしっかり守る

 すいかや白ねぎ等の主力産地を維持、発展させるために、JAが導入、普及する機械や簡易な施設の整備に要する経費の一部を補助。
事業主体JA
補助上限20,000千円/JA
補助率県1/3以内(市町村負担は任意)
補助対象
  • すいか、白ねぎ、ブロッコリー、らっきょう、ながいも等の主要品目に係る農作業用共同利用機械、簡易な出荷調整機械、集出荷施設の改良、パイプハウス(リース用も含む) 等
  • 産地づくりに必要な農家等に対する啓発、研修活動、実証ほの設置 等
合  計20,000千円×3JA=60,000千円
※みんなでやらいや農業支援事業(JA実施分)の残事業以外の取組を対象とする。 

(2)中山間地域等特産物育成タイプ【一部拡充】

                          要求額25,446千円
小規模でもキラリと光る園芸特産物を生み、育てる
○特産物づくり・普及に対する支援【拡充】
 小規模でも、地域の特性を活かした特産物を育成する取組や花育、校庭の芝生化に要する経費の一部を補助。
事業主体農業者、生産組織、農業法人、市町村公社等
※校庭の芝生化に限っては、小学校、幼・保育園(こども園)
補助上限2,000千円※
補助率県1/2以内(市町村負担は任意)
補助対象
  • 特産物育成に係る新技術や新品種の試験的導入に要する種苗費、資材費、試作用加工機器、直売等に係るサンプル、パッケージの試作、木質バイオマスを活用した保温施設など生産体制づくり、耕作放棄地の再生等に必要な経費 (2,000千円×10件=20,000千円)
  • 芝生造成及び芝の維持管理、芝頭刈に必要な取組、設備(1,000千円×4件=4,000千円)
備考※芝生化は幼稚園・保育所@1,000千円/園(所)、小学校(補助単価@700円/m2)

○県内花き産業の振興【継続】
 次代を担う若い花き生産者の育成・個人出荷を行う花壇苗生産者に向けた研修会・商談会及び芝カスの適正処理や啓発運動。
対象品目
内容
所要経費
1)協議会に対する支援
  • 県産花材を用いたフラワーアレンジ教室(材料費、講師料)
  • 花のまつりの開催に係る経費(協議会)
補助金
1,200千円

2)人材育成
  • 若い花き生産者の情報交換・勉強会
報償費
  46千円
特別旅費・宿泊費
 200千円
3)花壇苗の販路拡大
  • 県内外市場・小売店との商談会・販売流通研修会の開催
4)県園試育成新品種の普及 
  • 栽培・出荷荷姿研修会、モニタリング調査の実施
 (ノイバラ・ツルウメモドキ、サカキ・ヒサカキ等)
4)芝の生産環境改善
  • 残留農薬検査・良質堆肥化検討試験に基づいた芝カス適正処理等に関する研修会や啓発資料の作成
標準事務費
予算規模1,446千円
(3)経営多角化タイプ【新規】    要求額17,000千円
園芸品目を取り入れて、米価下落に打ち勝つ大規模水田複合経営の確立を目指す
○稲作農家の経営多角化支援
 主食用米の生産が経営の柱となっている農家が、新たに園芸作物(加工業務用野菜を含む)を導入する場合に必要となる経費の一部を補助。
事業主体経営規模が概ね20haを超える大規模稲作農家
(農業法人、認定農業者等)
補助上限3,000千円
補助率県2/3以内(市町村負担は任意)
補助対象
  • 新規作物の試験的導入等に要する生産資材、加工委託、パッケージ試作、実需者へのサンプル提供、試食に要する経費
  • 試作用の機械や施設のリース・購入経費 等
予算規模3,000千円×5件=15,000千円

○加工業務用野菜の推進
 JA等が行う推進に要する経費の一部を補助。
事業主体JA、JA全農とっとり
補助上限500千円
補助率県1/2以内
補助対象
  • 品種適性や肥培管理を実証するための現地実証ほの設置、試験的低コスト輸送、加工適性の確認
  • 生産者に対する研修会
  • 実需者とのマッチング(商談会等)  等
予算規模500×4件=2,000千円

4 これまでとの相違点

(1)野菜・花き関連事業は品目や事業主体によって分散していたことから、大括りして、予算をスリム化。
<組替えとなった事業>
  • みんなでやらいや農業支援事業(JA実施分)
  • 魅力ある中山間特産物等育成支援事業
  • 鳥取県育成日本芝「グリーンバードJ」による芝生化促進事業
  • 花き生産強化推進事業
  • 園芸作物の施設化推進事業
(2)平成26年度中に「とっとり園芸農業イノベーション研究会」(仮称)を設立。技術革新による産地力強化に向けた体制を整備。
 【構成】JA、県(試験場、普及、行政)、大学、その他研究機関
 【検討内容】
  • 特産物の育成及び低コスト化技術
  • 革新的生産性及び作業性向上技術
  • 大規模な品目転換、経営多角化方策
(3)事業見直しを次のとおり行う。
  • 市町村負担の自主性を尊重するため、義務負担は設けない。
  • 協議会(事務局:生産振興課)業務の見直し。 
   ⇒大規模稲作農家等の経営多角化や加工業務用野菜の推進      に取り組むため、花のまつりの業務の一部を外部委託。
  • 花普及センターについては、賛助会員としてのメリットが極めて少ないことから、当面休会。

5 背景、経緯

(1)鳥取県は限られた農地で多様な園芸品目を栽培。関西圏等でブランドとなっており、県農業の「強み」の1つ。   ⇒耕種部門の農業産出額の6割は野菜、花き、果樹
(2)人口減少が進む中で、60歳代以上の農業者がほとんどであり、既存産地では量的発展は困難な状況。県では10年後の産地のあり方について「農業活力増進研究会」で現場の声を聞きながら検討。

 <農家等の声>

  • 水田を活用して収益性の高い品目へ転換したい。
  • 新たな担い手育成が必要だが、高齢化で産地の縮小は必至。
  • 機械化、施設化で収益性の向上を図りたい。
  • 女性や高齢者(定年帰農者含む)が働きやすい環境が必要。
(3)果樹では新品種である新甘泉、輝太郎など新たな特産物を育成。小規模でも特色ある産地づくりが進められているところ。

(4)野菜、花きについては、主に「みんなでやらいや農業支援事業」で対応。プランの作成、審査に時間を要し、機動的な取組ができないなどの課題が指摘されている。

(5)一方、26年産米の価格下落にともなって、大規模稲作農家には、米から野菜等に転換する動きも見られる。


    ⇒水田をフル活用した野菜、花きの一層の振興が必要

6 参考

(1)鳥取県低コストパイプハウスの検討状況  県では25年度から、米子高専、産業技術センター、林業試験場等と協力して、従来と同程度の強度を有して、低コストのハウスの構造を検討。今年度県内3ヶ所でモデルハウスを設置。

(2)木質バイオマスエネルギーの利用
 園芸試験場日南試験地では、岩手県のメーカーの協力を得ながら、ビニールハウス用薪ストーブの導入可能性試験を開始。



これまでの取組と成果

これまでの取組状況

■これまで野菜や花きの生産振興は、品目や課題ごとに事業を創設して産地づくりや特産品育成・普及を支援。

 ・みんなでやらいや農業支援事業
    ⇒担い手の規模拡大や産地体制の強化
 ・魅力ある中山間特産物等育成支援事業
    ⇒中山間地における新たな特産物の育成
 ・鳥取県育成日本芝「グリーンバードJ」による芝生化促進事業
    ⇒校庭、園庭等の芝生化による県オリジナル品種の普及
 ・花き生産強化推進事業
    ⇒新技術等の導入、花育の推進、芝カスの適正処理等の推進

■園芸農業には施設や資材費等に多くの経費がかかる上、ハウスの骨材や被覆ビニールの価格が高騰して、農家経営を圧迫。施設化をすれば、生産安定につながることを理解していても、ハウスの建設等を躊躇する農家が少なくない状況。
  ⇒鳥取県版低コストハウスの仕様の検討と実用性を検証
    (H26:園芸農業の施設化推進事業)

■県では10年後の鳥取県農業のあり方を検討するため、「農業活力増進研究会」において、農家や農業団体の意見を聞きながら、今後の農業振興策を検討中。

これまでの取組に対する評価

■みんなでやらいや農業支援事業の前身であるチャレンジプラン支援事業を含め、産地の拡大やブランド化に貢献。
 ⇒すいか、白ねぎ、ブロッコリー、らっきょう、ながいもなどをはじめ、  野菜や花きは県の主力品目に成長
 ⇒中山間地域でも、アスパラガスなどの新たな品目が登場

■一方で既存産地では、高齢者(定年帰農者)や女性の能力がさらに活用できるよう、新技術や新品種などの導入や機械化、施設化の推進が不可欠。また、中山間地では農地・里山の保全を図っていくためにも、地域の特性を活かせる特産物の育成が必要。

■一方で、人口減少社会が進展し、担い手の高齢化や減少が加速的に進んでいる状況。毎年100名超の新規就農者があるが、技術習得に時間が一定の時間がかかるため、今後、ほとんどの産地が縮小していくことは避けられない。

■野菜や花きは品目も多く、地域によって推進方向も異なることから、今後、産地を維持・発展させていくためには、JAが中心となって、機動力と使命感を持って、現場の課題に立ち向かっていくことが期待されるところ。




要求額の財源内訳(単位:千円)

区分 事業費 財源内訳
国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
前年度予算 36,044 0 0 0 0 0 0 0 36,044
要求額 102,446 0 0 0 0 0 0 0 102,446