1 調整要求の理由
生物多様性基本法第13条で策定が努力義務となっている生物多様性地域戦略策定に当たり、関係者から意見聴取を行い、地域が目指すべき生物多様性保全の方向性、優先的に取り組むべき課題を明確にすることが急務である。
鳥取県は全国に先駆けて「鳥取県希少野生動植物の保護に関する条例」を制定して、県内の希少野生動植物の保護及びその生息・生育環境の保全に取り組み、環境先進県として全国をリードしてきた経緯もある。
収集した意見等から県内における希少野生動植物の保護及び生息・生育環境の保全、外来生物の防除、自然環境の保全等に関する課題を整理、あわせて既存資料の活用等により、課題検討の対象を絞った低コストでコンパクトな地域戦略を目指すことで策定経費を全国平均より大幅に削減した。
(1)学識経験者及び保護団体へのヒアリング、勉強会の開催
(2)庁内関係機関における意見交換、連絡・調整
(3)自然環境及び野生動植物等の既存資料の活用等
2 調整要求の内容
県として「地域の未来像(生物多様性地域戦略)」を実現(策定)するため、「生物多様性地域戦略」の策定過程における学識経験者と保護団体等との連携を通じて、効率的な情報収集及び戦略の推進体制の整備を図る。
(1)生物多様性地域戦略策定に向けた課題検討 2,440千円(318千円) 【当初要求額】7,000千円
○地域戦略策定関係者への聞取り、戦略骨子の作成 1,800千円
・学識経験者、保護団体へのヒアリングによる課題の抽出
・国作成の手引きに則した地域戦略アウトラインの構築
○生物多様性保全勉強会・意見交換会の開催 6回 640千円
・全国の地域戦略策定の事例紹介を通じた関係者の合意形成
・学識経験者、保護団体の意見交換による連携体制の強化
○生物多様性地域戦略検討委員会の設立。
・外来種検討委員会(附属機関)の検討事項アップグレード
(検討事項に生物多様性保全に資する事項を追加)
3 事業の背景
(1)戦略策定の法的根拠
【生物多様性基本法第13条】
都道府県及び市町村は、生物多様性国家戦略を基本として、単独で又は共同して、当該都道府県又は市町村の区域内における生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関する基本的な計画(以下「生物多様性地域戦略」という。)を定めるよう努めなければならない。
【生物多様性国家戦略2012-2020】
平成32年までに、全ての都道府県で生物多様性地域戦略が策定されることを目標としている。(現策定済:23都道県、策定中:15府県)
【第2次鳥取県環境基本計画】
計画目標に「自然がもたらす恩恵を持続的に享受できる健全な自然生態系の確保」を明記
(2)全国の地域戦略の策定状況(H26.2現在)
○都道府県(26)
北海道、福島県、東京都、石川県、愛知県、兵庫県、岡山県、広島県、愛媛県、福岡県ほか
○政令指定都市(11)
札幌市、さいたま市、横浜市、新潟市、名古屋市、神戸市、北九州市ほか
○市区町村(22)
流山市(千葉県)、高山市(岐阜県)、和泉市(大阪府)、北広島町(広島県)ほか