理学療法士等修学資金の平成27年度の修学生の募集に対して164名の応募があり、貸付枠(80名)を大きく上回ったこと及び県内の理学療法士の慢性的な不足状況を勘案し、県内就職の誘因効果が認められる修学資金の貸付枠を増やそうとするもの。
(80名→120名)
※理学療法士等修学資金の返還免除要件
貸付期間の1.5倍の期間を県内で就業した場合に返還免除となる。
(例)貸付期間:4年間、貸付額:月額36,000円の場合
→県内で6年間(4年間×1.5)就業した場合、1,728,000円が返還免除される。 |
【考え方】
(1)理学療法士等修学資金貸付者の県内就職者数は年40〜50名程度(貸付者に占める割合:59.0%)でここ数年横ばい状態が続いており、現状では県内就職者数の増加は難しい状況である。
(2)一方、県内の病院、福祉施設等の理学療法士等の不足数は、過去4年間、年140名程度で推移しており、慢性的に不足している状況である。
(3)加えて、団塊の世代が後期高齢者となる2025年に向けて、国は病床機能の転換(急性期病床を減らし回復期病床を増やす等)及び在宅で医療が受けられる体制整備・人材育成を進める方針を示しており(施策推進のための基金も創設)、今後リハビリ専門職の需要はさらに増えていくことが見込まれる。
(4)上記状況の対応策として、県内就職の誘因効果が認められる修学資金の貸付枠を増やし、この不足状況の解消を図ることとする。
(5)なお、現在、商工労働部を中心に、今後4年間で新たに1万のの正規雇用を実現させるための取組みが進められているが、理学療法士等修学資金も県の関連施策の一つに位置づけられ、目標人数の中に組み込まれており、県内就職者数の増加に取り組む必要がある。
現行80人の貸付枠を40人増員し、120人とする。
【効果】
・27人/年の県内就職者の増加
・4年間で理学療法士等の不足状況を解消
【考え方】
(1)貸付枠を40人増員した場合、年間で約27人の県内就職のの増加が見込まれる。
40人 × 66.3%(※1)=約27人
※1 YMCA米子の県内就職率
(2)また、市専門学校の開校により、年間で約11人の県内就職者が増加することが見込まれる。(修学資金貸付者を除く。)
(120人 −74人 (※2))× 23.5%(※3)=約11人
※2 27年度修学資金申込者(県外出身者2名を除く全員に貸付ける想定)
※3 YMCA米子の貸付金を受けていない者の県内就職率
(3)拡大した貸付枠分の修学生の就職時期、鳥取市医療看護専門学校の第1期生の就職時期はともに平成30年度であり、平成30年度以降、上記1,2の想定どおり県内就職者が増加した場合、平成30年度から4年間で不足が解消される見込みである。
(4)なお、今後、既述のとおり病床機能の転換(回復期病床の増加等)及び在宅医療の推進等によりリハビリ専門職の需要が増える可能性があるため、貸付枠の扱いは、各年の理学療法士等需要状況調査の数値を検証し、適宜見直しを検討する。