1 趣旨
県が観光施設・公共施設等に設置する無線LANアクセスポイントを災害時にはすぐに利用できるような機能を付加することで、外国人観光客等の避難や情報収集、安否確認のためのネットワークを確保する。
2 事業の背景
○外国人観光客やもっぱら自宅の無線LANを利用している者は戸外では通信環境が確保できない可能性が高い。加えてインターネット電話のみで通話回線を持たない者や音声で情報が入手できない方もいる。
○大規模災害時には、このような方にも情報を迅速に伝えるため戸外でのインターネット環境の確保が重要であり、県が率先して取り組むべき課題である。
○本県が鳥取どこでもWi-Fi事業で整備する無線LANアクセスポイントは事前にメールアドレスを登録、またはパスワードを入力してから利用することとなっている。
○大規模災害時ににおいては通信回線の混雑や現場の混乱が想定されることから、上記の手続きを省略して直ちにアクセスできるよう平時と有事での接続方法を切り替えることが必要。
○また、観光・公共施設に、平時も災害時もネットに接続できる環境が備わることで情報入手スポットとしての利用も期待できる。
3 事業概要
鳥取どこでもWi−Fi事業で設置する無線LANアクセスポイントを災害時にはメールアドレス等の登録などの手続きを省略し直ちに利用、災害関連情報発信ページを表示する機能を付加。
○施設の有線回線に接続したアクセスポイント
→災害時にメールアドレスの登録不要とする設定をWeb上の管理画面で一括変更できるようシステム変更
※運用の見直しで対応するもの
○施設に配置したモバイルWi-Fiルータ
→災害時にパスワード入力不要とする設定を個々の管理画面で変更
○ツアーガイドに貸し出したモバイルWi-Fiルータ
→貸し出し中のものはガイドがそのまま運用。
予備機は避難所のうち無線LANアクセスポイントが必要かつ設置がない場所に配置。パスワード入力は不要とする設定を個々の管理画面で変更
4 所要経費
3(1)施設の有線回線のアクセスポイントに災害時対応機能を付加
○アクセスポイント機器のファームウェア更新とサーバによる一括切り替え用の仮想専用回線用の機器追加
25千円×48台×1.08=1,296千円
○一括変換を可能とする等管理システムへの機能追加
108千円
5 実効性の確保と今後の展開
○システム改修、運用の見直しに併せて災害時の優先回線の設定や機器の切り替えの判断基準など災害時に実効性が確保できるよう関係者で十分な調整を図る。
○また平時の活用、外国語対応や音声読み上げ、避難所への誘導や安否確認などソフトもセットにした部局横断的な取組が重要。情報政策課や観光政策課等とWGを立ち上げ、関連事業を9月補正予算に向けて検討していく。
○さらに市町村や民間など県設置以外の無線LANアクセススポットについても災害対応を統一して拡大していくための検討組織の立ち上げも検討する。
○加えてバスネット多機能端末を災害時には避難情報の表示に切り替えるなど県の既設設備についても災害時対応の検討を関係機関と一緒に進めていく。