これまでの取組と成果
これまでの取組状況
消防団は、地域密着性、要員動員力及び即時対応力を特性とした地域防災力の要であるが、鳥取県内の消防団員数は、昭和40年代前半のピーク時からほぼ半減し、平成26年4月現在、条例定数5,463人に対し、実人員5,133人(充足率94%)となっている。一方、近年、消防団活動における女性の視点や役割に期待が高まり、女性消防団員を採用する消防団が増え、女性団員数は増加しているが、少子高齢化や過疎化、地縁関係の希薄化等の影響で、今後も消防団員の減少による地域防災力の低下が懸念されている。また、消防団員の就業形態も被雇用者が78%を占め、消防団員の活動環境の整備・処遇改善等も重要な課題となっている。
近年、災害がますます複雑化、大規模化しており、県民生活にとって大きな脅威となっている。あらゆる災害から安全・安心の県民生活を守り、地方創生を着実に進めるため、平成25年12月に公布された「消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律」の主旨を踏まえ、消防団を中核とする地域防災力の更なる充実強化に積極的に取り組む必要がある。
鳥取県では、消防団活動を支援し、その活動を県民へ広くPRするなど、消防団活動に対する県民の理解と協力、県民の防災マインドの醸成を図るとともに、消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律の主旨を踏まえ、新たな事業にも積極的に取り組んでいるところである。
(1)消防団活性化推進表彰(平成18年度〜)
(2)鳥取県防災・危機管理対策交付金(平成21年度〜)
(3)県職員に対する入団促進(平成24年度〜)
(4)県広報誌による消防団活動の紹介、新聞広告(まんが)による消防団員募集(毎年度)
(5)消防団を中核とする地域防災力強化モデル委託事業(平成26〜27年度)
(6)消防団応援の店実施補助事業(平成27年度)
(7)県民と共に守る防災活動実践事業(平成27年度〜)
これまでの取組に対する評価
これらの事業を通じて、女性消防団員の増加、消防団協力事業所表示制度の導入市町村の増加、消防団員の身分証明となる消防団員証の発行市町村の増加など、着実に消防団の加入促進に繋がる成果が現れてきている。また、家族や地域への想いが消防団活動の原動力になっていること、消防団に対する地域の感謝と尊敬の念が消防団活動を支えていることを再認識したところである。
これらの成果を活用し、県民一人ひとりの消防団活動に対する理解を深め、県全体で消防団活動を支える気運の醸成を図るとともに、消防団活動の担い手として期待される女性や若者の関心を強力に高めるためには、本モデル事業の実施が必要不可欠であり、これまでの取組の成果をより一層高める有効策であると考える。