補正の概要
全国農業協同組合連合会からの委託試験「環境対応新被覆肥料における全量基肥施肥技術の開発」を受けた。
その委託費収入324千円にともない、見出し単県事業において県費部分の減額要求を行う。
なお、本委託試験内容は本年当初の試験計画と合致するものであるため、試験受託による試験計画の変更はない。
受託試験の概要
○委託元
全国農業協同組合連合会鳥取県本部
○委託課題
環境対応新被覆肥料における全量基肥施肥技術の開発
○研究期間
平成27年5月〜翌3月
○委託経費
324,000円
○試験背景・目的
ポリオレフィン系樹脂を主材として粒状肥料を被覆した肥料は、水稲作後に土中に被覆材が残り、翌年の春に水田から河川等へ流出する問題が指摘されている。
この度、分解が早く、水に浮遊しにくい新被覆材を用いた被覆尿素肥料が開発され、今後、置き換えを進める意向が委託元から示されている。
しかし、この新肥料は既存の肥料と窒素溶出が異なる可能性が指摘されていることから、実際の水稲栽培を通じて新肥料の全量基肥施用技術の検討を行う。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
・西部、大山、倉吉の各農業改良普及所との連携により現地ほ場を利用した試験を実施した。関係普及員との情報交換を通じ、現地において普及PR活動を行った。
・近年の異常気象に対応できる肥培管理技術として気象台の1ヶ月予報を活用し試験を実施した。
・中央農研で開発されたメッシュ気象データを活用し、水稲の生育と気象データとの関係について解析を行った。
・水稲育苗箱全量施肥について、健苗育成を目的とした試験を実施した。
これまでの取組に対する評価
・施肥の違いと収量・食味との関係を解析し、基肥一発肥料においても適切に追肥をすることで収量、食味が向上する知見を得た。
・メッシュ気象データを活用し、気温と米の品質との関係を解析し、県内コシヒカリにおいては登熟初期の気温が23℃を超えると2等になる可能性が高いことを把握した。
・イネの出穂期を予報、メッシュ気象データを利用することで精度よく推測できた。
・水稲育苗箱全量施肥において、出芽期の温度管理が苗質に大きく影響することを把握した。これにより、健苗を得る管理ポイントの一つが出芽期の温度管理であることを明らかとした。