1 財政課長査定結果
DVDの作成は認めない。研修や指導業務の中で取り組むこと。
2 調整要求の理由
県内に「プログラム」及び「カリキュラム」の普及が始まり、幼児教育充実への機運が急速に高まっている機会をとらえ、関係者にとって理解が難しく、また近年特に課題になっている「協同性」の指導に関する部分の映像教材を作成することにより、全県への普及をさらに加速させることとしたい。
(1)プログラム及びカリキュラムの普及が急がれる理由
前回のプログラムはH16年度に作成
- H24年度に現在のプログラムに改訂(8年後)。
- H25年度にその考え方を実践するカリキュラムを作成。
- H26〜27年度に、研修会や訪問指導、さらに園内研修の促進などを通じて、全県的に展開させることとしている。
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- 最近の幼児教育をめぐる社会状況から、次回のプログラムは5〜6年後(H29〜30年度)に改訂する必要がある。
※社会状況
近年の青少年の傾向から、社会性やコミュニケーション力、粘り強く努力する力等(いわゆる「生きる力」の基礎)は、乳幼児の段階から身に付けさせなければ間に合わない、という考え方が強まっていること(幼児教育の無償化や5歳からの義務教育開始論などの背景のひとつ)。 |
- そのため、H27年度までの2年間で早急に県内に普及させ、その後の2〜3年間は取組が定着した中で次の改訂に向けた分析や課題の洗い出しを行う必要がある。
- 少子化が進み、幼児教育の議論が高まっているなか、スピード感をもって施策を推進することが重要である。
(2)現在の普及状況、課題
【プログラム等の普及状況】
「プログラム」及び「カリキュラム」は、作成時に関係先(幼保、小学校等)に無償配布(プログラム700部、カリキュラム600部)。
その後、各園や保育士等から要望があり、H26年度に希望数を募った上で増刷し、有償配布(プログラム1,000部、カリキュラム900部)。
メッセージ性のある「遊びきる子ども」を合い言葉に、県内各地で様々な実践が行われているところ(例:資料03)。
本「プログラム」及び「カリキュラム」は、幼稚園教諭、保育士等からたいへん好評であり、このプログラム等に基づく充実した幼児教育の実践を広げていく好機である。
【研修を行う上での課題】
- 幼保の現場では、義務教育と違って職員の研修制度が整っていない(体系的な研修制度がない、人員に余裕がない)ため、研修に参加したくても出張できない者もいる。
- 研修会を工夫することにも限界がある。他園の優良事例を視察したくても、小さな園では20名の受入れさえ困難(合同研修は100名単位)。
- 研修資料(文字)だけでは分かりにくいという意見もある。
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園全体または個人で、自主的な研修を進めるための研修用素材が必要(園内研修の充実) |
(3)映像素材の主なテーマ「協同性」について
映像素材を作る部分は、課題とされる、幼児が社会性やコミュニケーション力を身に付ける「協同性」の部分としている。
- 協同性の指導場面は、現場の園では、複数の職員が連携し、幼児を広範囲に動かすという手法が必要。また、子どもの動きや表情を読み取って即座に柔軟な対応が必要。
- この指導は、口頭の説明や、訪問指導(児童が昼寝中など)では伝達しにくい性質のもの。
- そこで、園内での自主研修や、場合によっては保育者の自学が重要となる。テキストは既存の研修資料を入手するとしても、文字や口頭で伝えきれないノウハウが伴う「協同性」の部分については、映像素材を見ることで、最も短時間で、効率的に学ぶことができることとなる。
(4)研修におけるDVD活用の効果及び活用の仕方
【活用の効果】
- 映像を見ることで、具体的な幼児の姿や指導をイメージしながら研修を実施することができる。
- 幼児の遊びや活動から、その子どもの「欲求、心情、意思、行動の目的」等を読み取る研修に有益
- 幼児の生活や遊びの環境(遊具、材料、大きさ、形、個数等)と職員の配置などについて意見交換する研修に有益
- 保育者等の援助のあり方(表情、口調、タイミング、連携方法等)の改善を検討する際に非常に有益
【活用の仕方】
- 園内研修(訪問指導、職員のみの研修会、教職員個人の自主研修等)
- 大規模な研修会でも、映像素材の一部を大画面に投影し、意見交換等のテーマとして提示することも可能。
3 所用経費
DVD作成(委託料) 1,600千円
- 企画段階の業務を、県教委主導で行う。
- 取材に係る各園との連絡調整などマネジメント作業を県教委で行う。
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※取材箇所数、コンテンツの質は維持しつつ、間接費用部分を減額する。