(1)【復活要求】鳥取県若年技能者等技能承継推進事業
調整要求額計:28,186千円(単県)
(前年度:37,332円(平成26年度経済対策予算))
<調整要求理由>
技能労働者の企業は財政基盤が脆弱な零細企業が多く人材確保を行う余力が少ないうえに、離職率が高いことから、「人を雇う」負担は大きい。
よって、これらの課題に直接対応するためには、県が若年技能者の確保から当面期間における人材育成までを一貫して行うことで、将来のために必要となる若年技能者の確保・育成を図ることが必要である。
<事業内容>
鳥取県職業能力開発協会と技能士団体等による共同体が若年者を期間雇用し、集合訓練や企業実習により若年者を育成した上で正規雇用化を図り、技能労働者の確保を行う。
特に建設業の労働力不足が深刻であることから、建設業種を中心に確保する。
<雇用者数>
11名(うち共同体事務員1人)
(2)【新規要求】技能承継促進事業
調整要求額計:21,800千円(0千円)
技能士業界の技能承継を促進させるため、県内技能士会の会員が在籍する事業者を対象にして、技能承継問題を主とした課題整理から経費補助までの一貫して支援。
ア 技能承継アドバイザー派遣事業
<事業内容>
技能承継問題を主に、以下の助言指導を行う。
・課題抽出、整理
・課題解決のための対応方針、方向性、具体的行動計画
(例)人材確保・育成、職場環境、財務指標
<積算>
1,800千円 (30千円×5日×12月)
イ 技能承継促進補助金
<補助事業内容>
区分 | 内容 |
補助対象 | 次の要件を満たす企業又は個人事業主
(1)技能承継計画を策定し、県の認定を受けること
(2)若年者を正規雇用すること
(3)経営革新事業の交付を受けていないこと
(4)県内技能士会の会員が在籍していること | 次の要件を満たすグループ
(1)左記に掲げる(1),(3),(4)を満たす3者以上で構成されていること
(2)グループ内において、左記の正規雇用創出費の対象となる若年者の正規雇用を3人以上行うこと |
補助事業 | 正規雇用創出費 | 設備費 |
補助率
補助上限 | 10/10
700千円 | 2/3
3,000千円 |
特例措置 | H27年度に正規雇用創出費(経営革新)を利用できなかった経営革新計画策定企業に対して支給する。 | |
<積算>
20,000千円
正規雇用創出費 14,000千円(20社を想定)
設備費 6,000千円(2グループを想定)
(1)技能の重要性
技能は県民の暮らしに直結し、県民の生活にとって身近であると同時に必要不可欠な存在。
優秀な技能士(職人)の丁寧かつ正確な技能によって、県民の安全安心な生活が支えられている。
また、技能の中には日本の伝統も兼ね備えたものも多く存在。
加えて、多くの現場は複数の職種が携わっていることから、一職種でも欠けることはできない。
以上のことから、技能は、現在から未来へ引き継いでいかなければならない、重要な要素である。
(例)とび、型枠、鉄筋 → 建設現場の礎として重要
(例)表具、建築大工、日本調理 → 県民の暮らしに直結(和の伝統技能を含む)
(2)課題
区分 | 内容 |
人材確保 | ・若年者の技能離れ、及び熟練技能者の高齢化を背景とした現場労働力の不足
・肉体労働を中心とした、きつく、きびしく、危険な業務が多く、少ない入職者と高い離職率 |
人材育成 | ・技能の承継は、「人」から「人」。 図面やデータで残すことはできない。
→ いわゆる匠の技
・技能の会得には相当期間の経験が必要であり、育成には長い年月が必要。 |
財政問題 | ・業界企業は下請け体質かつ零細企業(個人事業主を含む)であることから、財政基盤が脆弱。
→ 積極的な人材の登用及び設備投資が困難 |
(3)危惧
以上のように、喫緊の課題は人材不足と技能承継(人材育成)問題である。
これらの課題を放置しておくことは、技能の承継ができず業界が衰えていくばかりでなく、県民の安全安心な暮らしを揺るがす危険に繋がるものであり、早急な対応が必要である。