種苗放流事業・養殖事業の支援
○第7次栽培漁業基本計画:栽培漁業を計画的に推進するために、今後7年間(平成27年〜平成33年)の各都道府県の推進目標を定めたものを平成27年6月に策定した。今後はこの基本計画に基づいて種苗放流事業・養殖事業の支援を行う。
計画概要
・「人工種苗放流」だけでなく、キジハタ、マサバ等の付加価値の高い魚種の「養殖」を加えた幅広い『つくり育てる漁業』の振興に取り組む。
・つくり育てる漁業を利用して資源造成し、もうかる経営体の創出を図る。
○キジハタの追加理由
・放流種苗 これまで県栽培漁業センターが試験放流を行い、県が放流費用を全額負担してきた。ようやく概ね回収率5%を達成できる見込みとなってきたため試験放流を終了して、栽培漁業地域支援対策事業の新たな魚種として、キジハタを加える。
・養殖種苗 これまで陸上養殖の可能性を検討するため、工場廃熱を利用したハイブリッド型閉鎖循環式陸上養殖試験を行ってきた(栽培センターとの共同研究)。2年間の試験で養殖が可能と判断し、事業化実証を行うもの。
[キジハタ]
・沿岸の岩場に住み、初夏から秋頃までに主に一本釣により漁獲され活魚で出荷される。
・生後1年で13cm、3年で漁獲サイズ(20cm後半)に達する。
・刺身はもちろん煮付けても美味しい高級魚で、一尾1万円で取引されることもある高級魚(平均単価2,500円/kg)。
○マサバ(養殖)の追加理由
・マサバの海面養殖の可能性を検討するため、美保湾で養殖試験を実施した。2年間の試験で養殖が可能と判断し、事業化実証を行うもの。
[マサバ]
・最大で50cm程度になる回遊魚、食卓でもおなじみの大衆魚
・高度不飽和脂肪酸のEPAやDHAが豊富で栄養価に優れる。
・「鯖の生き腐れ」と言われるように鮮度の低下が早く鮮度維持が難しいが、養殖マサバは高鮮度で取り扱いが可能で、脂の乗りも良いため、天然物より高価で取引されることが多い。