1 事業概要
県で大山町御崎沖(距岸約5.5km、水深約50m)に設置している沿岸潮流観測ブイ本体及び係留施設が船舶衝突により移動し損傷した。そのうちブイ本体についての修繕を行う。
2 損傷状況等
(1)異常発見日 平成27年9月7日15〜17時(GPS位置より)
(2)ブイ係留施設移動確認 9月11日(洋上確認)
(3)ブイ本体損傷確認 9月28日(潮流ブイ本体回収実施)
(4)損傷状況
・御崎沖沿岸潮流観測ブイの係留施設が切断され施設の大部分が西北西に約8km移動した。
・移動場所で回収したブイ本体は、フロート部に損傷がるとともに、胴体部がわん曲、架台部が無くなっており流向流速計が亡失していた。
(5)考えられる損傷原因
大型船舶の衝突により係留施設ごとひきずられブイ本体が損傷したと考えられる。
3 要求内容
・損傷した潮流ブイ本体の修繕費 7,636千円
・係留施設の復旧(新規作成・設置)は、潮流情報利用協議会(漁業者)の経費で実施。
4 必要性
・沿岸潮流観測ブイは、平成23年度に県が設置(国費導入)した備品であるため、県が責任をもって動作する状況にしておかなければならない。
・漁業者からは燃油削減等の効果について非常に評価が高く、年間を通した切れ目のない潮流観測データの提供が望まれている。
・観測データの公共的利用
(1)急潮による定置網漁業等の漁具被害防除を目的とし、平成26年度に開発した日本海側の急潮予測システム(鳥取県も参画した研究)に観測データが用いられ、急潮予測に利用されている。
(2)第八管区海上保安本部の潮流解析システムにリアルタイムデータを提供し、海難救助等に活用されている。
(3)気象庁の海象予報の高精度化に向けてのデータ利用を試験中。
5 効果
・漁船の燃油削減に利用され効果が大きいと沿岸漁業者の評価が高い。
・観測データが海上保安部や気象庁で公的に利用されており、県民の安全等が図られている。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
沿岸潮流観測ブイの共用開始した平成23年12月以降、漁業者がブイ清掃やオーバーホール点検整備維を行っている。
平成26年度により、ブイ2基体制から、既存の予備部品及び新規作成部品により3基目を組み立て、ブイの陸揚げオーバーホール時の交換用やブイのトラブル時対応用としてブイ3基体制でローデーション使用している。(酒津沖ブイ、御崎沖ブイ、予備保管 各1基)
これまでの取組に対する評価
沿岸潮流情報は、電話応答サービスに、1日最大で200件以上の合せがあり、漁業者からは出漁判断の参考になるため、無くてはならない情報と高い評価を受けている。