事業概要
現在整備を進めている「白砂青松の弓ヶ浜サイクリングロード」は、コースが海岸沿いであることから、飛砂による走行障害が懸念されている。このため、飛砂を未然に防ぐ有効な対策を検討し、実地での効果を検証する。
有効な防砂対策工を実施することで、年間維持管理(除砂)コストの低減を図ることが可能である。
事業目的・背景
白砂青松の弓ヶ浜サイクリングロードは、全長L=15.3km(弓ヶ浜工区L=7.8km、皆生工区L=7.5km)の日本海に面したルートである。皆生工区は現在施工中であり、H27年度中に全線通行可の予定。弓ヶ浜工区は現在概略設計中であり、今後施工予定。
本サイクリングロードは、整備後にはJapan ECO Trackシーツーサミットルートのオプションコースとして利用される予定である。海岸沿いのルートのため、高低差も少なく弓ヶ浜の白砂松林、雄大な大山の遠望が楽しめる。
平成26年度6月議会において、タンデム自転車の推進についての質問があり、本サイクリングロードも「タンデム走行可能となるような一定の機能を備えた魅力あるロードとしたい」旨の知事答弁があった。
上記のように、様々な魅力や可能性を有する弓ヶ浜サイクリングロードであるが、コースが海浜沿いであることから防砂対策を検討する必要がある。
自転車は自動車と比較して設置面積が著しく小さいことから、道路上の僅かな砂堆積でも通行の支障となりうることを考慮しなければならない。また、タンデム自転車については、その特性から速度も出やすく制動距離が長い等、通常の自転車よりさらなる安全性の配慮が必要である。
事業内容
○実施の流れ
・検討委託実施前に、鳥取県公共事業アドバイザー制度を利用し、学識経験者から防砂に関する高度な技術的指導・助言を受ける。
・上記をもとに効果的な防砂対策を検討。
・同時に堆積砂条件下における走行性の検証。
・今後のサイクリングロード維持管理手法を確立する。
(例:何cmの堆砂が路面の概ね%の被覆で除砂する等)
○防砂検討案
1.植生による飛砂防止検討
現地の植生を移植して効果を検証
L=30m(射撃場前付近)
→植生があるところは砂の飛散が少ない
2.道路上の砂を流動させる斜構造(コンクリート)を設置し検討
L=30m(管理道路部)直壁により砂が堆積する区間
→斜構造による効果検証
→斜構造の角度を変化
3.土堤構造による砂の堆積状況の効果検証
L=30m(一般海岸部)
→土堤を構築して、土堤上の堆砂状況を検証
その他
・検証の結果、防砂効果が認められた場合は、県内の他の自転車道にも活用可能。
・他県の事例(石川県):年間数百万程度かけて管理している。
・砂は単に自転車の走行性を阻害するほか、ハブのベアリングを傷めるという重大な故障の原因にもなる。
・堆砂は走行負荷以外にも、滑りの助長という側面を持つ。
(一畳の面積にコップ一杯ほどの砂をばら撒くと非常に滑りやすくなると言われている
事業経費
防砂対策検討業務委託費:C=2,000千円