1 事業概要
(1) 認知症等の早期発見・対応推進への新たな取組
看護師等医療関係者としての専門的知識を有する相談員が、運転免許センターにおいて、認知機能の低下が疑われる運転免許更新者等から相談を受理するとともに、認知症スクリーニング機器による簡易検査等を行い、症状に対応できる医療機関への受診勧奨等を実施することにより、認知症等の早期発見・対策を促進するとともに、高齢者等の交通事故防止を推進する。
(2) 運転免許センターへの専門相談員の配置
県内免許人口に占める高齢運転者の割合は、年々増加する一方、近年、認知症等に起因する交通事故も起きている現状から、認知症等による交通事故防止対策は、喫緊の課題であり、運転免許証の更新に際して、運転者(ドライバー)が定期的に必ず訪れる運転免許センターに専門の相談員を配置することにより、認知症等の早期発見が可能となる。
認知症等の症状が重症化する前に行う医療機関への受診勧奨等の早期対応は、交通事故防止だけでなく、健康寿命の延長、在宅医療の充実等医療費の抑制に繋がり、運転免許センターへの専門相談員の配置は、「健康寿命日本一」を目指す鳥取県の有効な手段の一つとなる。
2 高齢運転者等の状況
(1) 鳥取県の人口推移 (単位:人)
区分 | 23年 | 24年 | 25年 | 26年 | 27年 | 32年 | 37年 |
全年齢 | 585,
475 | 581,
870 | 577,
642 | 574,
022 | 567,
193 | 544,
484 | 519,
861 |
65歳以上 | 153,
376 | 157,
197 | 161,
774 | 166,
084 | 169,
983 | 178,
214 | 178,
855 |
構成率 | 26.2% | 27.0% | 28.0% | 28.9% | 30.0% | 32.7% | 34.4% |
※ 27年以降は、国立社会保障・人口問題研究所による推計
(2) 鳥取県の運転免許人口推移 (単位:人)
区分 | 23年 | 24年 | 25年 | 26年 | 27年 | 32年 | 37年 |
全年齢 | 384,
470 | 384,
555 | 385,
303 | 385,
212 | 385,
179 | 369,
757 | 353,
036 |
65歳以上 | 69,710 | 74,823 | 80,882 | 86,279 | 88,025 | 92,287 | 92,619 |
構成率 | 18.1% | 19.5% | 21.0% | 22.4% | 22.9% | 25.0% | 26.2% |
※ 32年以降は、27年5月を基準とした推計
3 高齢運転者による交通事故・違反の状況
(1) 鳥取県の交通事故発生状況 (単位:件)
区分 | 23年 | 24年 | 25年 | 26年 | 27年9月 |
発生件数 | 1,668 | 1,389 | 1,280 | 1,168 | 747 |
65歳以上 | 309 | 248 | 250 | 241 | 164 |
構成率 | 18.5% | 17.9% | 19.5% | 20.6% | 22.0% |
※ 65歳以上欄は、第一当事者の件数
(2) 鳥取県の交通事故死者数状況 (単位:件)
区分 | 23年 | 24年 | 25年 | 26年 | 27年9月 |
発生件数 | 26 | 30 | 25 | 34 | 25 |
65歳以上 | 18 | 16 | 11 | 20 | 12 |
構成率 | 69.2% | 53.3% | 44.0% | 58.8% | 48.0% |
(3) 鳥取県の交通違反発生状況 (単位:件)
区分 | 22年 | 23年 | 24年 | 25年 | 26年 |
発生件数 | 50,606 | 48,016 | 44,653 | 45,092 | 45,574 |
65歳以上 | 6,214 | 5,951 | 6,300 | 7,199 | 7,930 |
構成率 | 12.3% | 12.4% | 14.1% | 16.0% | 17.4% |
(4) 認知症に起因する交通事故事案等
区分 | 年齢 | 事案概要 | 原因等 | 行政処分 |
26年8月 | 83歳 | 衝突事故忘れ | 認知症 | 免許取消 |
26年8月 | 67歳 | 複数回の連続事故 | 認知症 | 免許取消 |
26年9月 | 82歳 | 自動車による徘徊 | 認知症 | 免許取消 |
4 認知症等専門相談員と業務内容
(1) 認知症等専門相談員
看護師、保健師等の医療関係資格を有する者とし、認知症のほか一定の病気等に対する知識を有し、医療機関等において有用な実務経験を有する者を専門相談員として配置する。
(2) 業務内容
ア 運転適性相談
認知症スクリーニング機器等を活用し、認知症等一定の病気への罹患が疑われる場合には、専門的な知識に基づく助言を行う等して、運転免許の取得、更新又は継続の可否について相談を受理する。
イ 出前型簡易検査
各警察署が、高齢者を中心として行う交通安全講習に随行し、認知症等の特性の周知を図るとともに、認知症スクリーニング機器等を活用して検査機会を拡大し、認知症等の早期発見、早期対応に当たる。
ウ 訪問調査
交通事故の発生状況、警察官からの発見通報、家族等からの相談申出等により、当事者訪問の上、本人及び家族から病状の聞き取りを行い、医療機関への早期受診勧奨を行うほか、必要に応じて臨時適性検査を行う。
5 事業実施場所・期間等
(1) 事業実施場所等
区分 | 場所 | 人員 |
東部地区運転免許センター | 鳥取市千代水 | 1人 |
中部地区運転免許センター | 湯梨浜町上浅津 | 1人 |
西部地区運転免許センター | 米子市上福原 | 1人 |
(2) 事業期間
平成28年4月1日から平成29年3月31日まで
6 予算要求額等
(1) 予算要求額 (単位:千円)
区分 | 金額 | 内容 |
報酬 | 7,958 | 3人分 |
共済費 | 1,288 | 3人分 |
費用弁償 | 73 | 研修旅費等 |
計 | 9,319 | |
(2) 財源
○非常勤職員の報酬及び共済費
・鳥取県地域医療介護総合確保基金 10/10
「在宅医療・介護サービスの充実のために必要な事業」に該当
鳥取県地域医療介護総合確保基金事業
○費用弁償
・単県