次年度以降のシステム更新に向け、ハードウェアの多重化及び分散配置による災害に強いハードウェア構成、人形峠環境技術センター及び島根原子力発電所の両サイトの原子力災害に迅速に対応できるソフトウェア、連携するシステムが相互に補完できるネットワーク体制にするようシステム設計を行い、システムの最適化を図る。
(1)ハードウェア
鳥取県環境放射線モニタリングシステムの中央監視局(サーバー)を多重化し、クラウド化を含め分散配置することで堅牢性を向上させる。
(2)ソフトウェア
導入時の人形峠環境技術センターの監視用ソフトウェアに、逐次改良(島根原子力発電所サイトに係る固定局・可搬局の追加、他システムとのデータ連携等)を実施したことで、両サイトの情報を効率よく処理できるシステムとなっていないため、ソフトウェアの適正化を図り、効率性を向上させる。
(3)ネットワーク
通信回線については多重化されているが、接続先が多重化されていないため、連携する可搬型モニタリングポスト収集システム、モニタリング情報共有システム等との接続方法を含めて適正化を図り、ネットワークの冗長性を向上させる。
<システム構成図>
・核燃料加工・使用施設である人形峠環境技術センター(岡山県鏡野町)に係る環境放射線の常時監視(24時間連続)を行うため、平成13年度に鳥取県環境放射線モニタリングシステムを整備し、平成23年度に老朽化に伴い全面更新を実施した。
・さらに、平成24年9月、福島第一原発事故を踏まえ、新たにUPZ(緊急時防護措置準備区域)が導入され、島根原子力発電所に係る放射線の状況をより的確に把握するため、島根県のモニタリングポストのデータ連携や、可搬型モニタリングポストの測定データの追加など、逐次システム改良を実施し線量率の上昇や機器の故障時の警報システムにより緊急時に備えてきた。
・その結果、情報量が増加したため、的確に必要な情報を取りまとめるシステムとなっていないため、迅速に対応できない等の問題も生じておりシステム全体としての設計を検討する必要が生じた。
・システムの最適化を図る観点から、次年度以降のシステム更新に向けたシステム設計の実施について国との協議が整い、国交付金が充当できる見通しがたったことから、システム更新に向け、本年度システム設計を実施しようとするもの。