1要求の目的
正規雇用1万人の実現を加速させるため、正規雇用転換促進助成金事業の助成金額の増額及び加算対象の拡大等の制度の拡充を図る。
2制度要求の内容
正規雇用転換の加速化に向けて、国のキャリアアップ助成金の支援内容が拡充される予定であることから、これと連動して本事業の支援内容を拡充し、中小規模事業者の正規雇用転換を一層促進させる。
(1)助成金額の増額
事業者の正規雇用転換への決断を加速させるため、1人あたりの助成金額を10万円増額し40万円とする。
(2)加算措置対象の追加
施策連携による正規雇用転換の加算について、1人あたり10万円の加算対象を現在のひとり親以外にも拡大し、正規雇用と一体的に企業の取組を加速させる。
これら加算対象者が正規雇用転換された場合、1人につき50万円(40万円+加算10万円)の支給とする。
※拡大対象項目
(ア)若年者(35歳未満)
本県の産業を担い、将来の地域人材を産み育てる若年世代において、3割以上が非正規であり、特に20代前半は4割以上が非正規(H24就業構造基本調査)であるため、生活基盤安定に向け早急に若年者の正規雇用転換を進める必要がある。
(イ)障がい者(障がい者手帳保持者)
障がい者の一般就労機会の拡大と働きがい、勤労意欲の向上による定着促進並びに生活基盤の安定化を進めるため、正規雇用転換を促進する必要がある。
(ウ)子育て等により離職し再就職した者
女性を中心に、これまでに子育てや介護等でやむを得ず離職した者の再就職後について、離職しない者に比べて将来に向けての生活基盤に不安を抱えていることから、正規雇用転換を加速させる必要があるため。
(エ)多様な正社員制度の導入
離職しないで育児や介護に従事できるようにするため、短時間正社員や職務限定正社員等の多様な正社員制度の導入を加速させる必要がある。
(オ)従業員の処遇改善
正社員転換が実現しても、賃金水準が低ければ生活基盤の安定や従業員の意欲向上につながらないため、加算対象に正社員給与のベースアップ(2%以上)を実現した場合を加え、正社員転換と併せて企業の取り組みを゜加速させる。
(2)非正規期間要件の緩和
非正規への転換を促進し、従業員のやる気と生活安定化を加速させるため、現行要件の非正規期間1年以上を、6ヶ月以上に短縮する。
3その他
・事業KPI(年間250人、4年間で1,000人の正規転換)はそのままとし、引き続き目標実現に向けて事業の活用推進を図る。
(事業実績の状況により、補正要求対応)
・国のキャリアアップ助成金との競合を避けるため、対象事業者の規模要件は、現行の中小規模事業者(常時雇用300人以下)
のままとする。
◎基本スタンス
・計画的な正社員転換が困難な中小、零細企業… 県支援
・大企業及び経営基盤が安定し計画的転換可能企業…国支援
※制度対照比較
| 県 現行制度 | 県 改正案 | 国キャリアアップ助成 |
対象企業 | 中小規模事業者 | 規模に制約なし |
非正規期間要件 | 1年以上 | → 6ヶ月以上 | 6ヶ月以上 |
助成金額 | 1人につき30万 | → 同 40万(*) | 1人につき50万
(大企業は40万) |
申請時期 | 正規雇用転換後から6か月以内 | 正規雇用転換後6月間勤務継続後から2ヶ月以内 |
加算措置 | ・ひとり親 10万 | → 加算10万
・ひとり親
・若年者(*)
・障がい者
・子育て再就職
・多様な正社員
・処遇改善 | ・ひとり親 10万 |
その他の要件 | 国に準じた要件等は不要 | ・キャリアアップ計画の認定が必要
・正規雇用転換の基準を就業規則に明記すること |
※改正案中の*印は、国制度の拡充(H28要求)と連動するもの。