事業目的
「鳥取県知的財産の創造等に関する基本条例」に規定される県の責務(風土作り、人材整備、産学金官による事業者支援、県有知的財産(知財)の創出)を着実に果たし、知財活用による本県産業の活性化を図る。
「人材育成・普及啓発」「知財活用」「知財創出」を促進するために下記の事業を行う。
1 人材育成・普及啓発<3,091(2,669)千円>
県内企業及び一般県民等の知財リテラシーの向上を図ることを目的として、セミナー・イベント等を実施する。
○知的財産普及促進事業(セミナー/啓発イベント) 2,468(2,099)千円(継続)
※委託、及び県実施
≪委託先≫一般社団法人鳥取県発明協会
県内企業向けに、知的財産権の戦略的活用等についてのセミナーを実施するとともに、一般県民、及び児童向けに特許等の知的財産の啓発イベントを実施する。
※知的財産権・・・特許権、実用新案権、商標権、意匠権、著作権 等
対象:企業・一般県民(一般、児童)等
回数:セミナー8回/啓発イベント3回(平成27年度と同数)
○県民発明奨励事業(鳥取県発明協会補助金) 540(500)千円(継続)
≪補助事業者≫一般社団法人鳥取県発明協会
≪補助率≫1/2
一般社団法人鳥取県発明協会が主催する、鳥取県発明くふう展、子供発明教室等の開催に要する経費を補助する。
○表彰に係る費用 83(70)千円(継続)
中国地方発明表彰、及び発明くふう展の知事賞交付に係る費用(賞状、副賞楯)等
2 知財活用<8,067(6,268)千円>
県内企業、及び県有知的財産の活用を促し、特許流通促進、事業化支援等を通じて県内企業の経営力強化、知財活用による新事業創出等を目指す。
○鳥取県知的所有権センター補助金 4,716(4,042)千円
≪補助対象者≫公益財団法人鳥取県産業振興機構
≪補助率≫10/10
県内企業の特許導入による研究開発投資・リスクの低減、新商品開発の促進、及び自社特許を他企業にライセンスすることによる収益の向上等の促進を目的とし、特許流通コーディネーター等の配置に係る人件費、及び活動費等を補助する。
また、県内企業の知財活用による事業化を促進するため、アイディア段階から事業化までを一貫してフォローする知財ビジネスプロデューサーの配置に係る活動費、並びに事業化における課題解決のための専門家派遣費用を補助する。
【平成27年度から継続】
「知財ビジネスマッチング」の開催
「知財ビジネスマッチング」は、保有特許を開放して新規事業の創出に繋げたいという大企業等のニーズと、新たに自社製品を開発したい、既に存在する自社製品の付加価値を高めたい、あるいは自社製品をPRする機会を増やしたいと考える中小企業のニーズを結びつけるもの。
「産から学へのプレゼンテーション」の開催
企業の悩み(ニーズ)と学術機関が保有する技術(シーズ)をマッチングする場を提供するために産から学へのプレゼンテーション開催を企画。
○特許流通フェア事業 2,751(1,626)千円(継続)
≪委託先≫公益財団法人鳥取県産業振興機構
県内企業が保有する特許等の流通促進はコーディネーター等のネットワークによるマッチング主体で行っているが、更なる促進・発展を図るため、実施許諾先となり得る企業が多い首都圏において開催される展示会に、本県企業がPRを行うためのブースを整備する。
・平成27年度継続分 1,360千円
(債務負担行為 H28)
・平成28年度新規採択分 1,391千円
(債務負担行為 H29)
平成28年度契約分は、平成29年5月開催の展示会へ出展予定。鳥取県産業振興機構企業支援部が毎年5月開催の展示会へ出展しており、共同でブースを設営することで相乗効果を期待。
平成29年度事業において平成28年度に発生すると見込まれる経費に対して債務負担行為を設定。
○外国出願支援事業 600(600)千円(継続)
≪補助対象者≫公益財団法人鳥取県産業振興機構
≪補助率≫1/2
県内企業の海外展開を支援し国際競争力の強化を図るために、国内に比べ非常に高額な海外特許・意匠・商標登録に係る出願手数料・弁理士費用等に対して補助する。
3 知財創出<7,994(5,437)千円>
県内企業、一般県民の知的財産の取得、活用等を促するため、知財に関する相談などを行える環境を整備し、県内知財の創出を支援する。
○鳥取県知的所有権センター運営費補助金 7,994(5,437)千円(拡充)
≪補助対象者≫一般社団法人鳥取県発明協会
≪補助率≫10/10
知的財産の取得、活用を支援するための知的所有権センターの運営に要する経費を補助する。また、知的財産等の専門家である弁理士(事務所)が県内に2名(常駐)のみの状況であることを鑑み、様々な専門分野の弁理士に相談できる体制を構築し、県内の知財創出に重要な相談体制を強化するための活動費を補助する。 |
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
<政策目標>
新たな知的財産の創出を図るとともに、国内外において企業が知的財産を戦略的に活用できる基盤づくりを行い、本県産業の自立的発展を目指す。
◆活用できる質の高い知的財産創出の促進を図る。
【県内からの特許出願数】
H21〜H23:年間160件
H24〜H26:年間180件
【特許移転件数(特許流通事業】
H21:10件 H22:15件 (H20:11件、H21:35件)
H22〜H23:16件
H24〜H25:20件
<取組状況>
平成18年4月に全国に先駆けて「鳥取県知的財産の創造等に関する基本条例」を制定し、さらに以下の各種知財関連事業の効果的な実施に向け同年5月に日本弁理士会との事業連携協定を締結(平成22年度末まで)。
◆人材育成・普及啓発
○セミナー・シンポジウムの充実
○県民、企業向けの教材・ガイドブックの作成
○メディア媒体による定期的な情報発信(成功モデル、ノウハウなど)等
◆知財活用
○特許流通体制の充実(特許流通専門スタッフの配置)
○県内シーズの県外市場への発信・売り込み(特許シーズ集の発行)
等
○知財ビジネスプロデューサー配置による事業化支援
◆知財創出
○県民発明の奨励(鳥取県発明くふう展 等)等
これまでの取組に対する評価
<自己評価>
◆普及啓発活動による県民及び県内企業の意識向上については、特許出願件数の増加、発明者数の増加傾向がみられ、一定の成果が出つつあるものと認識。
◆特許流通の促進においては、制約件数も年間20〜30件程度新規で生まれ、成功事例等の具体的な成果が出つつある。
◆本事業の目的のひとつとして、知財活用による企業の収益向上がある。事業戦略に知財マネイジメントを組み合わせたビジネスモデルにより収益拡大を実現する企業を多数創出する必要がある。H22年1月より知財ビジネスプロデューサーを鳥取県産業振興機構内に配置し、事業の推進を行っているところであるが、事業推進の更なる加速が必要と思われる。
○県内からの特許出願は増加傾向(H25は大幅に減少)
条例制定以降、県内からの出願は増加傾向(全国的には漸減)である。
【県内の特許出願数】
H18:133件 H19:142件 H20:144件 H21:154件 H22:158件 H23:143件 H24:153件 H25:116件 H26:116件
※H23は東日本大震災による経済的な影響も有り、全国的に大幅減傾向。
○県民、行政職員における知財意識の向上
【知的所有権センターへの問合せ件数】
H18:1,151件 H19:1,331件 H20:1,888件 H21:1,269件
H22:1,052件 H23:1,561件 H24:1,280件 H25:1,557件
H26:1,804件
【産業技術センターへの問い合わせ件数(技術相談件数+現地指導件数)】
H18:5,073件 H19:8,557件 H20:9,455件 H21:11,016件
H22:10,125件 H23:11,136件 H24:9,518件 H25:8,715件
H26:9,707件
○特許流通の活性化
【訪問件数(H27.9月末時点)】
H18:164件 H19:248件 H20:330件 H21:256件 H22:459件
H23:291件 H24:337件 H25:193件 H26:468件 H27:330件
【実施許諾件数(H27.9月末時点)】
H18:7件 H19:12件 H20:11件 H21:35件 H22:9件
H23:9件 H24:8件 H25:9件 H26: H27:14件
*売り上げが4倍となる成功事例が誕生
○事業化の促進
知財ビジネスプロデューサーによるビジネスプランの再構築により売上7千万円/年達成企業2社を創出。
<今後の方針>
◆商工関係団体等との支援体制基盤の整備をより一層推し進め、制度の普及、案件発掘、事業化支援の効率化を図り、知財活用企業の裾野拡大を促進する。
◆事業戦略に知財マネジメントを組み合わせた戦略等の活用を促し、収益拡大、及び知財のビジネス寄与度(知的財産が企業のビジネスをどれだけ支えたか)の拡大を図る。
◆コンテンツビジネス振興の一環として、著作権及び著作権管理の理解促進を図る。