1.背景
1)狐川流域は低地帯にあり、全川にわたり勾配が非常に緩く(勾配=1/1500〜1/1000)、平常時、洪水時ともに水が流れにくく、閉鎖的な水域となっているため、流域内からの汚濁物質がヘドロとなって溜まり、悪臭等の原因となっている。
2)これまでも、ヘドロ浚渫などの対策により水質改善傾向は見られるが、地元関係者から水質悪化の原因究明と抜本的な対策を求める声が強くなっている。
悪臭等の原因と思われるヘドロが発生する要因として、全体的に河床勾配が緩く、袋川の背水影響を大きく受け流況が悪いことが上げられる。
3)また、ヘドロ浚渫を実施した平成12年度以降、徐々にヘドロの堆積が進む再堆積が懸念されている。
・これらのことにより、平成27年度に調査を行った。
2.問題点
〇問題点
H27年度の調査により水質悪化の原因は以下のとおりと推察される。
・上流(都市下水路)からの流入が少なく、また下流からは潮汐の影響も受け滞留しやすい状態となっており、富栄養化現象が起こり溶存酸素(DO)の消費が進み貧酸素化が生じる。
・新白橋まで潮汐の影響を受けており海水と淡水が混ざることによって濁りや沈降堆積が起こることによりヘドロが堆積する。
・上流からの流下物に藻類が付着し川底に沈降しヘドロとして堆積する。
・鳥羽屋橋〜狐川水門の区間で下水道未接続世帯(接続率98.8%、残り70世帯)からは生活雑排水が流入している。
3.事業内容
現在、直轄管理の袋川と共同で水質調査をしており、国は鳥大に解析検討を委託している。そのため、支川である狐川も含めてシミレーションを行う予定である。そのため来年度も引き続き調査を行う必要がある。
安価で効果発現の可能性のある、石炭灰造粒物等の有効性の検討を行う。(国交省、広島県等で実施中)
また、その結果を鳥大が実施するシミュレーションで効果を確認する目的もある。
4.要求内容
調査費 C=3,000千円
対策工法実証実験 C=5,000千円