1 事業の背景
山陰地域における長距離輸送はトラック輸送に頼らざるを得ない状況。また、トラック輸送業界の人手不足問題が深刻化。
- 就航7年目を迎えた国際貨客船航路や航路日数が大幅に縮減された上海定期コンテナ航路など北東アジアゲートウェイとしての素地を整えつつある。
- こうした状況の中、平成25年度より国内RORO船航路開設に向けた試験輸送の実施。
- 平成27年7月に物流環境改善、商流拡大を促進させ、中海・宍道湖・大山圏域を中心とした産業競争力の強化を目的とした「境港流通プラットホーム協議会」を設立。
【国内RORO船等による試験輸送】
・苫小牧港−新潟港−境港【RORO船】(H25〜26:4回)
・境港−北九州港【貨物船】(H27:1回)
【境港流通プラットホーム】
中海・宍道湖・大山圏域を中心とした物流拠点を境港に形成し、物流・商流の課題を解消するための枠組みとして、鳥取県と島根県の産学金官が広域的に連携し、「境港流通プラットホーム協議会(以下協議会)」を立ち上げ、物流環境の改善に向け方策の検討と実施を行う。
<協議会の取組内容>
・.物流の改善
1)日本海側国内海上輸送のミッシングリンクを解消し、中海・ 宍道湖・大山圏域及び中国地方の物流の効率化を実現
2)境港国際コンテナ航路・国際定期貨客船の利用促進及び 国内物流・国際物流の連結
・物流・取引環境の改善
物流サービス・輸送システムの改善及びビジネスマッチン グの促進
<実施方針>
・国内海上輸送網のミッシングリンク解消に向けた取組を先行
<今年度の具体的取組>
・国土交通省による物流実態調査
・北九州市と連携した九州地域へのsea&rail試験輸送実施
2 目的
こうした背景を踏まえ、境港流通プラットホームにより中海・宍道湖・大山圏域を中心とした産業競争力を強化することを目的に、国内海上輸送網のミッシングリンク解消による物流コストの低減、リードタイムの縮減などを最優先課題として、日本海側国内RORO船定期航路化推進に取り組む。
3 事業概要
国内海上輸送網のミッシングリンク解消に向けた検証等
C=28,800千円(全体C=38,400千円)
○国内RORO船試験輸送
■試験輸送
C=19,500千円(全体C=26,000千円)
<目的>
・過去4回の試験輸送と併せて、苫小牧港―敦賀航路の延 伸、九州方面航路、国内航路と国際航路の連結など、複数 の船社の協力を得ながら、定期化に向け、最適な航路を決 定するための実証を行う。
<検討航路>
・苫小牧港―新潟港―境港【RORO船】(H25〜26実施)
・境港―北九州港【貨物船】(H27実施)
・境港―北九州港【RORO船】(H27,H28実施予定)
・苫小牧港―敦賀港―境港【RORO船】(H28実施予定)
※苫小牧港―敦賀港間は、既存航路。
・H28上記航路検討に併せ、国内RORO船と国際貨客船の 荷を境港で連結する実験を予定
■輸送車両確保
C=4,575千円(全体C=6,100千円)
<目的>
・試験輸送に必要な輸送車両(ヘッド・シャーシ)を確保し、境 港から荷主間の陸上輸送体制を確保する。
○国内RORO船最適航路検証等委託
C=4,725千円(全体C=6,300千円)
■最適航路検証
<目的>
・日本海側を経由すると考えられる物流を把握し貨物量の増 大を図る。
<実施内容>
・今年度、国土交通省が実施している物流基礎調査の対象に なっていない地域(北関東、東北)と境港の物流調査を行 い、上記試験輸送の資料とする。
・試験輸送の結果を検証し、課題抽出、来年度方策案を提案
■情報提供、PR
<実施内容>
・商工会議所と連携した試験輸送の情報など境港流通プラッ トホームの取組の国内企業への提供資料作成
・県販路拡大課と連携した韓国・中国への市場調査の際の資 料作成
4 今後の取組の方向性
平成31年度完成予定の竹内南地区貨客船ターミナルに国内RORO船を迎え入れ、国内海上輸送網のミッシングリンク解消する。
【定期化に向けたロードマップ】
H28・・・最適航路、寄港予定地の絞り込み
H29・・・最適航路、寄港地の決定
H30・・・凖定期化(1便/月、10回/年を想定)
H31・・・凖定期運航(定期化に向けた最終調整)
※竹内南地区貨客船ターミナル完成予定
H32・・・定期航路開設(2便/週)