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平成28年度
当初予算 一般事業(公共事業以外)  政策戦略事業要求      支出科目  款:民生費 項:社会福祉費 目:消費者支援対策費
事業名:

地域で見守る特殊詐欺被害ゼロ作戦

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生活環境部 消費生活センター   

電話番号:0859-34-2705  E-mail:shohiseikatsu@pref.tottori.jp
  事業費(A) 人件費(B) トータルコスト
(A+B)
正職員 非常勤職員 臨時的任用職員
28年度当初予算要求額 13,639千円 4,679千円 18,318千円 0.6人 1.0人 0.0人
27年度6月補正後予算額 0千円 0千円 0千円 0.0人 0.0人 0.0人

事業費

要求額:13,639千円  (前年度予算額 0千円)  財源:国10/10 

事業内容

背景・目的

■ 高齢者を中心とした特殊詐欺による被害は本県でも後を絶たず、警察でも懸命に金融機関や宅配業者など事業者に向けた水際対策を行っているが、一向に減少の兆しを見せず、県民の安全・安心な生活を脅かす深刻な課題となっており、喫緊の対策が求められている。

      平成27年(10月末現在):被害件数26件、被害額4,457万円
      平成26年(年間):被害件数28件、被害額約1億5,909万円
       ※ 被害件数はすでに昨年の年間件数に迫る勢いであり被害者が拡大していることがうかがえる。
    ■ 被害を食い止めるタイミングは、例えば、家の中で電話を受けるところから、騙されて銀行等へ出かけ、そしてATMでお金を下ろすところなど、いくつかポイントがある。 これまで、家族や地域の人の気づき、ATMで順番待ちの人からの通報など、地域住民が被害を防いだ事例も多く報告されていることから、単なる啓発にとどまらず、地域住民に直接、被害防止の実践を働きかけることが重要である。
    ■ そこで地域が一丸となって特殊詐欺被害を防止するモデル地区を設定して、被害防止ポイントに応じた集中的な被害防止策を講じ、警察とも連携した重層的な地域の見守り活動による特殊詐欺被害をゼロにするための方策を検証・発信する。
    ■ また、モデル地区での取組や他地域への発信をより効果的に行うため、被害防止のスキルを地域に伝達する「特殊詐欺撲滅リーダー」を1名配置し、モデル地区への集中的な関与のほか、その検証状況・成果等を他の地域にも波及させていく。

事業内容

(1)特殊詐欺被害を防ぐ地域モデル検証事業
8,658千円(財源:国10/10)
     事業者への対策を行う警察とも連携し、「(2)特殊詐欺撲滅リーダー」指導のもと、地域住民が被害防止の各タイミングでより効果的に被害を食い止める方法をモデル的に検証し、その成果を広く普及することで特殊詐欺被害防止の相乗的な効果を図る。
     また、市部における中心地域、郊外地域の2カ所をモデル地区に設定し、地方都市における被害防止方策をトータルに検証することで、これまでにない特殊詐欺被害防止モデルを発信する。

    【事業内容】
    ○地域ぐるみで被害防止対策を実施するモデル地区を設定し、リーダーの集中的な関与により、被害防止のタイミングごとに地域住民を巻き込んだ対策を実施する。

    《モデル地区での取組の例》
    タイミング
    モデル地区での取組(例)
    詐欺電話受電時○家族や地域ぐるみで留守番電話設定を推進することによる詐欺電話受電の防止。
    金融機関等への移動時○リーダーが地区のふれあいサロンなどで、地域住民に高齢者の様子を見分けるポイントや声かけの方法を伝授。
    ○「特殊詐欺撲滅協力員」による積極的な注意喚起と声かけを支援。
    金融機関窓口・ATM操作時○地区内のATMをマップにおとし、区域ごとに分担し、被害に遭いやすい時間帯を中心に、地域住民によるATM機付近の集中的な見回り・高齢者への声かけ活動の実施。
    送金時○警察と連携した定期的な声かけ運動の展開や現金受渡し警戒箇所の巡回。

    《モデル事業の実施体制(想定)》
    ・ 福祉分野で既存の見守りネットワークを有する地区社会福祉協議会(以下「地区社協」という。)に事業実施を委託する。
      (鳥取地区1、米子地区1の計2地区)
    ・ 地区社協が有する福祉・防災等、既存の地域ネットワークを活用し、特殊詐欺被害防止の観点から、市町村消費者行政・警察・金融機関など、特殊詐欺の防止に関わる他の地域資源を加えたネットワークに強化する。

    ○モデル事業を実施する地区社協を有する市町村に、県外有識者等を派遣し、地区社協と連携した消費者被害防止のネットワークづくりを支援する。

    ○モデル地区での取組成果を取りまとめ、全県的な普及を図る。
    平成28年度モデル事業実施地区による事業報告会(県外有識者による講評・講演を含む)を開催し、今後の課題や改善策等を議論
    (参考)
    平成29年度  
    ・モデル事業の成果を踏まえた「地域で見守る特殊詐欺被害ゼロ作戦(ガイドブック)」を作成し、全県的に普及
    ・会議、研修等、様々な機会をとらえたモデル事業実施報告

    【経費の内訳】
     地区社会福祉協議会等への委託料 3,809千円×2地区
      〔会議・勉強会開催、見守り活動、啓発資料作成、物品購入、事業評価・実績報告書作成などに要する経費〕
     講師(県外有識者)の招へい 840千円
     事業報告会の開催 200千円

事業内容(続き)

(2)特殊詐欺撲滅リーダー水際対策事業
3,981千円(財源:国10/10)
     被害の兆候を発見するスキルを持ち特殊詐欺被害防止に高い見識を持ったリーダーが、各ポイントでの水際防止対策を全ての市町村と連携して実施する。
    【事業内容】
    ○特殊詐欺撲滅リーダーを1名配置し、次の支援を行う。
    ・各戸訪問による支援を行っている市町村職員、民生委員、地域包括支援センター職員等に対し、留守番電話設定の推進等による水際防止対策について助言、指導する。
    ・警察とも連携しながら、銀行や郵便局等の金融機関に対し、年金支給日のATM周辺の巡回指導を強化するよう働きかける。
    【経費の内訳】
    非常勤職員(月17日勤務)の配置 2,663千円×1人

    区分
    金額(千円)  
    内容
    人件費
    3,262
    報酬、共済費 2,663
    時間外勤務手当 599
    費用弁償
    479
    米子〜鳥取 6回/月
    米子〜倉吉 3回/月
    使用料及び賃借料
    240
    パソコンリース料
    3,981

    (3)「特殊詐欺撲滅協力員」養成事業
1,000千円(財源:国10/10)
    特殊詐欺被害を防止することが期待される事業者が共通認識のもとで主体的に被害防止に取り組む体制を構築するため、警察の取組とも連携し、被害防止の指導を受けた事業者に「特殊詐欺撲滅協力員」として宣言をしてもらう。
    警察が最後の砦として巡回指導する金融機関・コンビニ・宅配事業者のほか、高齢者が金融機関等への移動に使用するタクシーの運転手等を中心に「特殊詐欺撲滅協力員」の宣言をしてもらい、特殊詐欺被害と思われるような高齢者に対しては詐欺被害について会話を通じて不審な言動に気づくスキルを高め、被害の水際防止を推進する。
    【事業内容】
    ○被害を未然に防いだ実例等、具体的に特殊詐欺被害を防ぐ手法等を記載したテキストを作成し、タクシー会社の従業員等を中心に水際防止策の研修を実施する。
    講師:特殊詐欺撲滅リーダー、県外専門講師など
    対象:県内の26のタクシー事業者など
    経費:県外専門講師謝金(特殊詐欺撲滅リーダー養成、 研修講師)、テキスト作成
    ○「特殊詐欺撲滅協力員」宣言カード交付

これまでの取組と成果

これまでの取組状況

特殊詐欺による被害の増加はこれまでも大きな課題であり、従来行ってきた啓発等の取組を拡充して対応するとともに、平成27年度からは新たに自動通話録音装置の設置促進や見守りネットワークの構築に努めてきた。

■ 悪質電話勧誘被害防止事業〔H28は市町村での取組に移行〕
  消費者庁のモデル事業で効果が実証されている自動通話録音装置について、電話勧誘の被害に遭いやすい世帯(独居高齢者等)を中心にその設置を進めるため、県が機器を市町村に貸与し、市町村は警察、地域包括支援センター等と連携して世帯を選定し設置する。

■ 地域見守りネットワーク化事業〔H28も継続要求〕
  身近な地域における効果的な見守り活動を浸透させるため、地域見守りの担い手となるべき者(行政、関係機関・団体、地域住民等)が一堂に会し、地域内での情報共有・連携方法等を学ぶ『安全・安心な消費生活のための地域ネットワーク研修』を開催。

■ その他(既存事業を拡充した取組)〔H28も継続要求〕
 ・ 消費者団体等活動支援補助金を、高齢者被害防止などをテーマとして取り組む場合に上乗せ支援(上限10万円→20万円)
 ・ 多重債務・法律相談会に特殊詐欺や高齢者に特化した特別枠を設定(相談時間30分→1時間)
 ・ 日本海新聞に特殊詐欺をはじめとする特集記事掲載

これまでの取組に対する評価

特殊詐欺の手口の周知や対処法を啓発する従来の取組を継続・充実することも重要であるが、それだけでは被害減少に導くことはできず、地域での見守り体制を構築し、地域ぐるみで被害を防止する手立てが必要。
 ※特殊詐欺の手口は消費者の良心や不安につけ込むものが多く、特殊詐欺に巻き込まれている人は気が動転しており通常の判断ができない状態に陥っていることが多い。
 ※また「自分は騙されない」と持っている消費者が被害にあうケースも多く、単なる普及啓発では被害防止に導けない。

■ 悪質電話勧誘被害防止事業
  被害を防止する一番効果的な方法は「詐欺電話を受けない」ことであり、自動通話録音装置の設置や留守番電話設定への切り替えは効果があるが、自動録音に躊躇される高齢者が多く、普及させるには家族や地域住民を巻き込んだ取組が必要。
   設置台数(H27.11.18現在 13/100台)

■ 地域見守りネットワーク化事業
  福祉の見守り関係者からも多くの出席があり、既存の地域見守りネットワークの中でも問題意識を持っていることがうかがえる。
   (研修参加者:東部50名、中部40名、西部47名)
  地域での取組に結びつけるにはより具体的な手法を提案することが必要。




要求額の財源内訳(単位:千円)

区分 事業費 財源内訳
国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
前年度予算 0 0 0 0 0 0 0 0 0
要求額 13,639 13,628 0 0 0 0 0 11 0