1.背景・目的
H27.9関東・東北豪雨を始め、近年、全国的に局地的豪雨が頻発する中、県内でもH19.9に琴浦町で時間103mmを記録したほか、H25.7に江府町江尾で時間87mmの降雨を記録するなど、どの地域においても水災害をもたらす危険性が増してきている。
一方、平成25年9月の出水では、大路川の水位が避難判断水位に到達し、周辺地区に避難勧告が発令されたものの、実際に避難する人の割合は低く、全国的にも「避難勧告」のあり方が問題となっている。
2.事業概要
現在、新たな指標(水位、浸透、侵食)による住民に分かりやすい河川危険度情報や大規模な洪水に対する浸水想定区域・家屋倒壊危険ゾーンの設定を進めているところであり、今後、これらの検討結果は関係市町村並びに地域住民へ周知する予定である。
今年度の関東・東北豪雨における鬼怒川の被害については、避難勧告(指示)の遅れが被害拡大の要因の一つではあるが、大路川での避難の事例からも分かるように住民の水害に対する意識が不足しているのも事実である。
こうした実態を踏まえれば、単に浸水想定区域図やハザードマップの公表などこれまでどおりの取組みでは、地域住民を適切に避難誘導することは難しく、情報発信者側(行政)だけでは、真に必要な情報のあり方を議論することは出来ず、河川管理者から市町村、更には住民への情報提供にどんな問題があるのか検証し、あるべき姿を議論する必要がある。
このことから、効果的な避難体制構築に向けて、これら情報の発する側と受け取る側における課題を議論するための委員会を設置し、河川情報の伝達ツールや方法等情報発信のあり方について検討を行う。なお、委員会の運営にあたっては、抽出された課題を解消するため、先進事例並びに専門的知見に基づくアドバイスが必要となるため、防災、水利(河川)工学等の有識者を含めた構成とする。
3.事業内容
○「河川危険度情報」や「家屋倒壊危険ゾーン」等の新たな河川情報を含め、警戒・避難のために必要となる情報の整理
○地域住民の意識改革に向けた取り組みの検討
○現状における情報伝達手段の課題抽出とあるべき姿の検討
○「あるべき姿」の住民周知に向けた取り組みの検討
4.要求内容
・委員会運営経費(報酬、旅費等) C=555千円