1 事業概要
境港への大型クルーズ客船の寄港オファーに対応できるよう受入施設の整備に係る事業として下記の事業を実施する。
(1)中野岸壁において旅客船係留のための施設整備を検討・実施する。
(2)平成28年度は施設整備が間に合わないため、大型クルーズ客船の連続寄港の受入調整によって生じる沖待ち等の経費支援を単年度拡充する。
(3)昭和南岸壁野積場等の整備を行い、客船受入環境を改善する。
2 背景と課題
境港は大型船の受入可能な岸壁が昭和南岸壁しかなく、利用調整がつかず、クルーズ客船の寄港を断らざるを得ないケースが急増している。
大型クルーズ客船の寄港を受け入れていくためには、昭和南岸壁以外での寄港可能となる受入施設の整備と未整備の期間の貨物の傭船主への対策を講じる必要がある。
また、原木及び木材チップを主に取り扱っているため、木皮の粉末の飛散や水溜まりにより歩行に支障をきたすなど岸壁内の受入環境が劣悪な状況である。
3 事業内容(1)外港中野地区受入施設整備事業
○平成28年度秋に完成予定の中野岸壁を昭和南岸壁の代替岸壁として利用できるよう検討
【内容】
航行安全対策検討として、基本・総合シュミュレーション、ビジュアルシュミレーション、係留安全対策検討の実施。
4 事業内容(2)受入施設未整備に係る緊急対策経費
3隻同時着岸により大型クルーズ客船が昭和南岸壁に着岸するうえで、境港の入出港の安全航行を確保するために発生する調整不可能なチップ船の滞船に係る経費とチップ船との近距離着岸を行うにあたり、コンテナ船の安全な着岸を行うために係る経費を助成する。
助成内容
| 助成対象 | 昭和南岸壁に入出港するチップ船の傭船(王子製紙)及びコンテナ船の傭船 |
| 対象事業 | (1)大型客船の岸壁利用に伴い発生したチップ船の滞船費用
(2)3隻同時着岸時のコンテナ船の安全な着岸に係るタグボート借上費用 |
| 対象地区 | 昭和南岸壁地区 |
| 助成額 | 対象事業のために対象事業者が支出した経費の10/10(支出実績額) |
5 事業内容(3)昭和南岸壁野積場整備事業
乗客、船員、地域住民等に不快感を与えないように、昭和南岸壁内の野積場等の環境整備を実施する。
(1)木皮の粉末の飛散について
・野積場に残る木皮粉末を清掃車による除去
・木皮の集積場所にL型の支柱にネットを張り飛散を防止
(2)岸壁内の水溜まりについて(港湾施設維持補修費対応)
・排水溝のバキューム清掃
・凹み部分の簡易舗装
5 要求額
受入事業整備事業:30,859千円
(1)外港中野地区受入施設整備事業 16,000千円
【内訳】
○外港中野(-12m)の旅客船係留に係る検討
・航行安全検討委託:16,000千円
(2)受入施設未整備に係る緊急対策経費 10,100千円
【内訳】
○滞船費用助成 : 8,000千円
@2,000千円/日×1日/回×4回
○タグボート費用助成 : 2,100千円
@300千円/1着岸(7千トンクラス)×7回
(3)昭和南岸壁野積場整備事業 4,759千円
【内訳】
○木皮の粉末の飛散防止経費(4,759千円)
・野積場の木皮粉末除去経費 1,724千円
・木皮の集積場所ネット設置経費 3,035千円
○岸壁内の水溜まり対策経費(港湾施設維持補修費対応)
・排水溝のバキューム清掃経費 2,706千円
・凹み部分の簡易舗装 2,117千円
6 参考1 チップ船寄港状況
(1)昭和南岸壁は、貨物船用岸壁であり主要利用者であるチップ船の傭船主(王子製紙:製紙原料を運搬)は、陸上側に専用コンベア設備が備わる昭和南岸壁でしか荷役作業ができない
(2)荷役作業は、1寄港あたり4〜5日必要
(3)チップ船は、1ヵ月あたり15日〜20日寄港
7 参考2 コスタ・ビクトリア寄港予定状況
平成28年7月から9月にかけて、5日間隔で10回の寄港予定。